【世界の亀ニュース】アカウミガメの巣4,100個超 米ジョージア州で過去最多を更新

今回は、アメリカ・ジョージア州の海岸で、アカウミガメの巣が過去最多を更新したニュースを紹介します。

今回のニュース

2026年、アメリカ・ジョージア州で確認されたアカウミガメの巣が、これまでの記録を上回りました。

ジョージア州自然資源局が参加するウミガメ巣穴監視システムによると、8月2日時点で州内の海岸から報告されたウミガメの巣は暫定4,169個。そのうち、4,107個がアカウミガメの巣です。

これまでの最多記録は、2022年に確認された4,071個でした。2026年の産卵シーズンはまだ完全には終わっておらず、最終的な数はさらに増える可能性があります。

どこの国・地域の話か

国・地域:アメリカ合衆国、ジョージア州
主な地域:大西洋沿岸の島々と砂浜
元記事の言語:英語
集計時期:2026年8月2日時点
情報の種類:新着ニュース・ウミガメ・産卵・繁殖・保護活動

ジョージア州では、カンバーランド島、オサボー島、セントキャサリンズ島、ジキル島、タイビー島など、多数の海岸でウミガメの産卵調査が行われています。

州の沿岸約150キロを対象に、ボランティア、研究者、行政職員らが巣を探し、保護し、孵化状況を記録しています。

登場する亀

今回のニュースに登場するのは、アカウミガメです。

学名は Caretta caretta。英語ではLoggerhead Sea Turtleと呼ばれます。

名前のとおり、ほかのウミガメと比べて大きく頑丈な頭を持っています。強い顎でカニや貝などの硬い獲物をかみ砕き、大西洋、太平洋、インド洋などの広い海域を移動します。

アメリカのジョージア州では、海岸へ産卵に来るウミガメの大部分をアカウミガメが占めています。アメリカでは保護対象となっており、ジョージア州のウミガメ保護活動でも中心となる種です。

ニュースの要約

2026年の産卵シーズンに、ジョージア州で最初のアカウミガメの巣が確認されたのは5月5日でした。

それから約3か月の間に、州内の各地で次々と巣が発見されました。

8月2日時点の暫定集計では、アカウミガメの巣が4,107個、アオウミガメの巣が5個、ケンプヒメウミガメの巣が4個、種を確定できていない巣が53個確認されています。

産み落とされた卵の推定数は、すでに16万個を超えています。

一部の巣では孵化も始まり、同日の集計では約5万6,800匹の子ガメが巣から出たと記録されています。ただし、これらは産卵・孵化シーズン途中の暫定値であり、今後も更新されます。

2022年の記録を超えた

ジョージア州では、1989年に州内の主要な海岸を対象とした本格的な調査が始まりました。

それ以降の最多記録は、2022年の4,071個でした。2022年には、26万匹を超えるアカウミガメの子どもが海へ向かったとされています。

2026年は、産卵シーズンが始まる前から、巣の多い年になると予測されていました。

6月22日の時点ですでに2,366個の巣が確認され、その後も急速に数が増えました。そして8月初め、アカウミガメだけで4,100個を超え、2022年の記録を更新しました。

なぜ今年は巣が多いのか

アカウミガメの雌は、毎年必ず産卵するわけではありません。

一度の産卵シーズンに複数回の巣を作ったあと、次の産卵まで2年から3年ほど間を空ける個体もいます。

そのため、巣の数は毎年一定ではなく、数年おきに大きく増えることがあります。ジョージア州の研究者たちは、2026年がそうした「多くの雌が同じ年に戻ってくる年」になると予測していました。

ただし、2026年には、例年より多くの雌が同じ時期に集中して産卵する「波」のような動きも確認されています。

なぜ産卵の時期がこれほど重なったのかは、まだ完全には分かっていません。研究者たちは卵から採取したDNAや産卵記録を調べ、その原因を探っています。

タイビー島でも島の記録を更新

観光地として知られるタイビー島でも、2026年は過去最多の産卵シーズンとなりました。

これまでの島の最多記録は2022年の35個でしたが、7月15日の時点ですでに49個へ到達。その後も増え続け、8月2日時点の監視記録では、53個のアカウミガメの巣が報告されています。

タイビー島では毎朝、訓練を受けたボランティアが海岸を歩き、前夜に残された母ガメの足跡を探しています。

巣が見つかると場所を特定し、印を付けて保護します。高潮による浸水の危険が高い場所では、許可を受けた担当者が卵を安全な位置へ移すこともあります。

数が増えても、すべての卵が孵化するわけではない

巣の数が過去最多になったことは、大きな希望です。

しかし、産み落とされた卵がすべて子ガメになるわけではありません。

高潮や嵐で巣が浸水することもあります。捕食者に卵を食べられることもあります。砂浜に残された深い穴や椅子、テント、ゴミが、母ガメや子ガメの進路を塞ぐこともあります。

さらに、海岸沿いの人工照明は、子ガメが進む方向を狂わせます。子ガメは本来、暗い砂浜から海側の明るい地平線へ向かいますが、建物や道路の光に引き寄せられると、海とは反対側へ進んでしまうことがあります。

タイビー島の保護関係者は、海岸を「平らに、きれいに、暗く」保つよう呼びかけています。

砂の穴を埋める。
砂の城を崩す。
ゴミや道具を持ち帰る。
夜は海岸に向けた照明を消す。

一つひとつは小さな行動ですが、母ガメが巣を作り、子ガメが海へ向かうためには重要なことです。

長い保護活動が数字になって現れた

ジョージア州では、1990年代初めにウミガメ保護活動が本格化して以降、アカウミガメの巣が平均して年間約4%ずつ増加してきたとされています。

毎朝、海岸を歩く。

足跡を見つける。

砂の下の卵を確認する。

巣を囲い、嵐や捕食者、人間の活動から守る。

そして、子ガメが海へ向かったあと、巣を調査して結果を記録する。

2026年の4,100個を超える巣は、突然現れた数字ではありません。

何十年も前から続けられてきた調査と保護の結果が、長い時間を経て現れ始めたものだと考えられます。

記録更新でも、保護は終わらない

巣が過去最多になったからといって、アカウミガメが完全に安全になったわけではありません。

アカウミガメは現在も保護対象であり、海岸の開発、人工照明、漁業による混獲、海洋ごみ、生息環境の変化など、さまざまな危険にさらされています。

また、巣が増えたことと、海で暮らすアカウミガメ全体の個体数が同じ割合で回復したことは、必ずしも同じではありません。

子ガメが海へ入り、成長し、再び産卵できる年齢になるまでには長い時間がかかります。

2026年に生まれた子ガメたちが、いつか同じ砂浜へ戻ってくる。その未来まで保護が続いて、初めて今回の記録が次の世代へつながるのだと思います。

亀好きとして注目したいポイント

このニュースで注目したいのは、4,100個を超える巣の一つひとつに、一匹の母ガメの移動があることです。

海の中から砂浜へ上がる。

重い体を前肢で引きずりながら、波の届きにくい場所まで進む。

砂を掘り、卵を産み、穴を埋める。

そして、再び大西洋へ帰っていく。

人間が記録するのは「巣の数」です。

でも、その数字の中には、夜の砂浜を進んだ母ガメたちの時間が積み重なっています。

4,107という数字は、4,107個の穴があったというだけではない。

何千回もの上陸と産卵が、同じ海岸で繰り返されたということです。

湯川亀吉の一言

良かったね。

出典

Georgia DNR Sea Turtle Conservation Program
「Sea Turtle Nest Monitoring System」

Georgia Public Broadcasting
「Georgia is on track for a record-high turtle nesting season. What’s behind the good news」

Tybee Island Marine Science Center
「Sea Turtle Nesting Season Updates」

NOAA Fisheries
「Loggerhead Turtle: Science」