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  • 【世界の亀ニュース】オーストラリアで9,100匹以上のアオウミガメの赤ちゃんが海へ

    【世界の亀ニュース】オーストラリアで9,100匹以上のアオウミガメの赤ちゃんが海へ

    今回は、オーストラリアで報じられた、アオウミガメの卵移動プロジェクトに関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    オーストラリア北部、グレートバリアリーフ北部のアオウミガメに関するニュースです。

    ABC Newsによると、レイン島からサー・チャールズ・ハーディ島へ移されたアオウミガメの卵から、9,100匹以上の赤ちゃんガメが海へ向かったと報じられています。移された卵のうち、約82%が孵化して海へたどり着いたとされています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:オーストラリア、グレートバリアリーフ北部
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年6月1日
    情報の種類:新着ニュース・保護活動・繁殖/孵化

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、アオウミガメです。

    舞台になったレイン島は、アオウミガメにとって非常に重要な産卵地として知られています。記事では、この地域のアオウミガメが気候変動や海面上昇、砂浜の温度上昇などの影響を受けていることも紹介されています。

    ニュースの要約

    今回の取り組みでは、アオウミガメの卵がレイン島からサー・チャールズ・ハーディ島へ移されました。

    目的のひとつは、孵化数を増やすことだけではありません。
    砂の温度が高くなりすぎると、アオウミガメの赤ちゃんはメスに偏りやすくなるため、より涼しい環境へ卵を移すことで、オスの赤ちゃんが生まれる可能性を高める狙いもあります。今回、移された卵は約9,000個にのぼり、約82%が孵化して海へ向かったと報じられています。

    また、記事では、この取り組みが10年以上続くレイン島回復プロジェクトの一部であることも紹介されています。伝統的所有者と研究者が協力し、アオウミガメの未来を守ろうとしている点も大切なポイントです。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、ただ「たくさん孵化した」という話ではないところです。

    亀の保護というと、卵を守る、赤ちゃんを海へ帰す、という場面に目が行きます。
    でも今回のニュースでは、砂浜の温度、性別の偏り、海面上昇、産卵地の地形、そしてその土地の人々の文化まで関わっています。

    一匹の赤ちゃんガメが海へ向かう背景には、島の形、気候、研究者、伝統的所有者、そして長く続く保護活動があります。

    亀を守るということは、亀だけを見ることではなく、亀が生まれる場所ごと見つめることなのかもしれません。

    湯川亀吉の一言

    偉いね。

    出典

    元記事:ABC News「Thousands of baby green sea turtles head to sea after successful egg relocation」

  • 【世界の亀ニュース】絶滅寸前だったキタブチイシガメ37匹、35年続く保護活動で湿地へ

    【世界の亀ニュース】絶滅寸前だったキタブチイシガメ37匹、35年続く保護活動で湿地へ

    今回は、アメリカ・ワシントン州で報じられた、希少な淡水ガメの野生復帰に関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    2026年7月、アメリカ・ワシントン州で、37匹の若いキタブチイシガメが保護された湿地へ放されました。

    この放流は、ワシントン州魚類野生生物局とウッドランドパーク動物園が協力して進める「Western Pond Turtle Recovery Project」の一環です。

    プロジェクトは2026年で開始から35年を迎えました。絶滅寸前だったカメを守るため、卵や子ガメを一時的に安全な環境で育て、野生で生き残りやすい大きさになってから湿地へ戻す活動が続けられています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:アメリカ、ワシントン州
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年7月10日
    情報の種類:新着ニュース・淡水ガメ・野生復帰・保護活動

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、キタブチイシガメです。

    学名は Actinemys marmorata。英語ではWestern Pond TurtleやNorthern Pacific Pond Turtleと呼ばれています。分類や日本語資料によっては、単に「ブチイシガメ」と表記されることもありますが、この記事ではキタブチイシガメとします。

    キタブチイシガメは、池や湿地、流れの緩やかな水辺などに暮らす北米原産の淡水ガメです。

    ワシントン州では個体数が激減し、1990年の時点で残っていたのは、二つの個体群に合計約150匹だけでした。絶滅を防ぐため、1991年に動物園と州当局による本格的な回復事業が始まり、1993年には州の絶滅危惧種に指定されました。

    ニュースの要約

    キタブチイシガメの保護活動では、野生の巣から卵や孵化したばかりの子ガメを集め、ウッドランドパーク動物園やオレゴン動物園で一時的に育てます。

    孵化直後の子ガメは、硬貨ほどの小ささです。

    そのまま野生へ出ると、外来種のウシガエルをはじめとする捕食者に食べられる危険性が高いため、動物園で冬を越しながら、魚やミミズなどを与えて成長させます。

    目標となるのは、体重がおよそ2〜3オンス、約57〜85グラムに達することです。

    この大きさまで育つと、子ガメはウシガエルの口に入りにくくなり、野生で生き残れる可能性が高まります。

    健康状態を確認した後、カメたちは保護された湿地へ戻されます。放流後も、州の生物学者たちが生存状況や移動を追跡します。

    小さなカメに「先行時間」を与える

    この方法は、英語で「ヘッドスタート」と呼ばれています。

    野生動物を一生飼育するのではなく、最も命を落としやすい幼少期だけを安全な環境で過ごさせ、ある程度成長してから本来の生息地へ戻す方法です。

    キタブチイシガメは、性成熟するまでに約10〜12年かかります。孵化した子ガメが成体となり、次の世代を残すまでには、長い時間が必要です。

    だからこそ、最初の数か月を生き延びられるかどうかが、何十年後の個体群に大きく影響します。

    動物園で過ごす一度の冬は、このカメたちにとって、野生へ帰る前に与えられた「先行時間」なのかもしれません。

    35年間で2,300匹以上を野生へ

    35年間にわたる共同事業によって、これまでに2,300匹以上のキタブチイシガメがヘッドスタートを経て野生へ戻されました。

    その結果、ピュージェット湾地域とコロンビア川峡谷では、再び個体群が形成されています。調査では、ヘッドスタート個体と野生で生まれた個体を合わせ、約800匹が生き残っていると推定されています。

    1996年に最初の16匹が放されたワシントン州南部の回復地では、長年の放流によって個体数が200匹を超えるまでに回復した記録もあります。

    約150匹まで減ったカメを、何十年もかけて少しずつ増やしてきた。

    今回放された37匹も、その長い回復の物語につながる新しい世代です。

    回復を脅かす甲羅の病気

    保護活動には、大きな課題も残されています。

    野生個体群では、甲羅に病変が現れる深刻な病気が広がっており、野生個体の80%以上に影響が確認されていると報告されています。

    症状が重くなると、健康状態や生存に影響する可能性があります。現在、シェッド水族館やイリノイ大学の研究者たちが、微生物や環境との関係を含めて病気の原因を調べています。

    外来種から子ガメを守り、生息地を整え、野生へ戻す。

    それだけでも長い時間がかかります。

    さらに、新しく現れた病気にも対応しながら、保護活動を次の世代まで続けなければなりません。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、亀を守る活動そのものも、亀のようにゆっくり進んでいることです。

    1991年に始まった活動が、2026年で35年。

    卵を見つけ、孵化させ、冬のあいだ育て、湿地へ戻す。
    それを毎年繰り返す。

    放した子ガメが成長し、繁殖できるようになるまでには、さらに10年以上かかります。

    一度の放流だけで、絶滅危惧種が回復するわけではありません。

    今日放された37匹が大人になり、その子どもが生まれ、さらに次の世代へ命がつながるまで、保護する人たちは待ち続けます。

    亀は遅い。

    でも、亀を守る活動もまた、急ぐことのできない仕事なのだと思います。

    湯川亀吉の一言

    孵化したばかりの子ガメは、硬貨ほどの大きさしかない。

    その小さな甲羅では、ウシガエルの口から逃げることも難しい。

    だから人間は、一度だけその命を預かる。

    冬のあいだ食べ物を与え、少しだけ大きく育てて、また湿地へ返す。

    守り続けるのではない。
    野生で生きられるところまで、一緒に時間を進める。

    35年間で2,300匹以上。

    一匹ずつを見れば、小さなカメだ。
    でも、その小さな甲羅を一つずつ湿地へ戻してきた時間は、とても大きい。

    亀はゆっくり育つ。
    だから、人間も急がずに守り続けなければならない。

    今回放された37匹が、いつか泥の岸辺で卵を産む日まで。

    この保護活動は、まだ終わらないのだと思います。

    出典

    Woodland Park Zoo
    「Endangered turtles released to the wild」

    Washington Department of Fish and Wildlife
    「South Puget Sound Wildlife Area Management Plan」

    The Reptile Database
    「Actinemys marmorata」

  • 【世界の亀ニュース】大西洋を渡るオサガメを守るため、新たな国際連携が始動

    【世界の亀ニュース】大西洋を渡るオサガメを守るため、新たな国際連携が始動

    今回は、大西洋に生きるオサガメを守るために始まった、新しい国際連携に関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    2026年6月16日の「世界ウミガメの日」に合わせて、大西洋のオサガメを守るための新しい国際連携が発表されました。

    この取り組みは、Wilkes Atlantic Leatherback Turtle Allianceという名前で、イギリスのエクセター大学が主導し、大西洋周辺25か国の50以上の団体が参加する保全ネットワークとして紹介されています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:大西洋周辺、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年6月16日
    情報の種類:新着ニュース・保護活動・国際連携・研究ニュース

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、オサガメです。

    オサガメは、現生するウミガメの中でも特に巨大な種類として知られています。今回の記事では、オサガメはIUCNレッドリストで世界的には「危急」とされていますが、大西洋内の地域個体群では、北西大西洋が「絶滅危惧」、南西大西洋が「近絶滅」、南東大西洋が「情報不足」とされ、地域ごとの状況把握が急がれていると紹介されています。

    ニュースの要約

    新しく立ち上がったWilkes Atlantic Leatherback Turtle Allianceは、大西洋のオサガメを守るために、広い海をまたいだ調査と保全方針づくりを進めようとしています。

    具体的には、オサガメの産卵状況を更新して評価すること、漁業による混獲の証拠を大西洋全域で整理すること、そしてどの地域や問題に優先的に取り組むべきかを明らかにすることが目的とされています。

    記事では、オサガメが直面する主な脅威として、漁具による混獲、産卵地の劣化、沿岸開発、成体や卵の採取、気候変動、船舶との衝突、海洋汚染などが挙げられています。

    つまり、オサガメを守るには、一つの国や一つの浜辺だけを見ていては足りないということです。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、オサガメという存在のスケールの大きさです。

    オサガメは、ひとつの海岸だけで完結する生き物ではありません。
    産卵地があり、回遊ルートがあり、餌場があり、漁業と重なる場所がある。
    その一生は、国境を軽々と越えていきます。

    だから、守る側も国境を越えなければならない。

    1匹のオサガメを守るということは、海そのものをつなげて考えることなのかもしれません。

    大きな甲羅ではなく、革のような背中を持ち、深い海を渡っていくオサガメ。
    その姿を想像すると、亀というより、海に残された古代の影のようにも見えてきます。

    湯川亀吉の一言

    オサガメはマジでかっこいい。マジで好き。

    一緒に泳いでみたい。

    出典

    元記事:Phys.org / University of Exeter
    「New alliance to protect Atlantic’s leatherback turtles launched on World Sea Turtle Day」

  • 【世界の亀ニュース】ベトナムで希少な「ヨツメイシガメ」が民家の庭に現れる

    【世界の亀ニュース】ベトナムで希少な「ヨツメイシガメ」が民家の庭に現れる

    今回は、ベトナム中部のフエで報じられた、希少な淡水ガメの保護に関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    ベトナム中部のフエで、希少なヨツメイシガメが民家の庭に現れました。

    Vietnam Association for Conservation of Nature and Environmentの記事によると、フエ市ビンディエン地区に住む女性が、自宅の庭に迷い込んできた珍しいカメを発見し、すぐに当局へ引き渡しました。その後、このカメは手続きを経て自然へ戻されたとされています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:ベトナム、フエ市ビンディエン地区
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年6月15日
    情報の種類:新着ニュース・保護活動・野生復帰

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、ヨツメイシガメです。

    英語では Four-eyed turtle と呼ばれるカメで、後頭部付近に「目」のように見える模様があることから、その名前で呼ばれています。Peopleの記事でも、この種は中国、ラオス、ベトナムの森林に覆われた山地の沢などに生息する希少なカメとして紹介されています。

    ニュースの要約

    フエ市ビンディエン地区に住む女性は、自宅の庭で見慣れないカメを発見しました。

    そのカメは希少なヨツメイシガメで、住民はすぐに森林保護当局へ連絡しました。
    当局はカメを引き取り、必要な手続きを行ったうえで、自然環境へ戻したと報じられています。

    Peopleの記事では、ヨツメイシガメは違法なエキゾチックペット取引の影響を受けている種でもあり、IUCNでも絶滅危惧種として扱われていると紹介されています。

    同じ時期には、別のフエ市民がキイロアタマハコガメを自主的に引き渡したことも報じられており、地域住民が希少なカメを見つけたときに保護へつなげる動きが見られます。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、希少なカメが、特別な保護施設ではなく、ふつうの民家の庭に現れたというところです。

    ヨツメイシガメは、名前からして不思議な存在です。
    本当の目は前を見ているのに、後頭部にはもうひとつの目のような模様がある。

    まるで、森の奥で何かを見ているカメのようにも感じます。

    でも、その不思議さや美しさが、違法なペット取引の対象にもなってしまう。
    珍しいから守られるのではなく、珍しいから狙われることもある。

    今回のように、地域の人が見つけて、捕まえて売るのではなく、当局へ連絡する。
    その一つの判断が、カメの未来を変えるのだと思います。

    湯川亀吉の一言

    ヨツメイシガメ欲しいんだよね〜。

    出典

    元記事:Vietnam Association for Conservation of Nature and Environment
    「Rare four-eyed turtle found wandering into Hue resident’s yard」

    関連報道:People
    「Rare ‘Four-Eyed’ Turtle Wanders Into a Woman’s Yard, She Immediately Knew What to Do」

  • 【世界の亀ニュース】18,000個超の卵を救う ガイアナの先住民が川岸で守る淡水ガメの未来

    【世界の亀ニュース】18,000個超の卵を救う ガイアナの先住民が川岸で守る淡水ガメの未来

    今回は、南米ガイアナのルプヌニ地方で、地域住民が中心となって淡水ガメの産卵地を守り、1万8,000個を超える卵を孵化させた保護活動を紹介します。

    今回のニュース

    ガイアナ南部のルプヌニ地方で、2021年から2025年までの間に、18,000個を超える淡水ガメの卵が保護され、孵化しました

    活動には、Sustainable Wildlife Management Programme、South Rupununi Conservation Society、Caiman House、そして地域の先住民コミュニティが参加しています。保全活動全体では26の先住民コミュニティと連携し、カメの現地活動では123人のレンジャーが関わり、5つの地域コミュニティで131か所の砂浜を見守ってきました。

    成果は2026年5月、Sustainable Use of Wild Species Transformative Partnership Platformによって紹介されました。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:ガイアナ共和国
    地域:ルプヌニ地方
    対象環境:河川、湿地、砂浜、氾濫原
    活動期間:2021〜2025年
    発表時期:2026年5月
    情報の種類:淡水ガメ・産卵地保全・孵化・地域保全・先住民コミュニティ

    ルプヌニはガイアナ南西部に位置し、森林、サバンナ、河川、湿地が入り組む地域です。地域では魚や野生動物が食文化や生活と深く結びついており、保全と持続可能な利用を同時に考える取り組みが進められています。

    登場する亀

    ルプヌニ地方では、6種類の淡水ガメが確認されています。

    その中でも今回の保全活動で特に重要なのが、モンキヨコクビガメオオヨコクビガメです。研究では、ルプヌニにはモンキヨコクビガメ(Podocnemis unifilis)、オオヨコクビガメ(Podocnemis expansa)のほか、Rhinoclemmys punctularia、マタマタ、Platemys platycephalaMesoclemmys gibbaが生息すると報告されています。

    モンキヨコクビガメ

    学名は Podocnemis unifilis

    英語ではYellow-spotted River Turtleと呼ばれます。

    日本の環境省も「モンキヨコクビガメ」という和名を使用しており、南米のアマゾン川・オリノコ川流域などに広く分布する一方、生息地の減少や卵・成体の過剰利用によって多くの地域で個体数が減少しているとしています。

    幼体では頭部に黄色い斑紋があり、これがこのカメを見分ける大きな特徴です。成長すると模様は薄くなりますが、雄では残る場合があります。

    オオヨコクビガメ

    学名は Podocnemis expansa

    南米最大級の淡水ガメで、アマゾン川、オリノコ川、エセキボ川などの大河川流域に生息します。大型の雌では甲長60センチを大きく超えることがあります。

    今回の活動地域であるガイアナも、本種の自然分布域に含まれています。

    ニュースの要約

    ルプヌニ地方では、淡水ガメの個体群が、卵や成体の過剰利用、ペット取引、洪水などによって減少してきました。

    そこで地域住民が河川の砂浜を巡回し、産卵された巣を確認。

    浸水や捕食などの危険が高い場合には卵を安全な場所へ移し、孵化するまで保護します。孵化した子ガメは、その後ふたたび自然の河川へ戻されます。

    2021年から2025年までの活動で、保護・孵化された卵は1万8,000個を超えました。

    131か所の砂浜を見守る

    この活動で印象的なのは、一つの巨大な保護施設でカメを増やしているわけではないことです。

    保全の現場は、カメが実際に卵を産む川岸です。

    活動では123人のレンジャーが参加し、5つの地域コミュニティにまたがる131か所の砂浜が対象になりました。

    川岸を歩く。

    足跡を探す。

    巣を見つける。

    水位を見る。

    卵が安全な場所にあるか判断する。

    必要な場合だけ、人間が手を加える。

    広い河川を守るには、毎年その川を見て暮らしている地域住民の存在が欠かせません。

    カメの繁殖は「川の水位」とつながっている

    モンキヨコクビガメの繁殖は、川の水位変化と強く結びついています。

    雌は水位が下がり始める乾季に産卵場所へ移動し、砂浜などに卵を産みます。

    つまり、人間から見ればただの川岸でも、カメにとっては期間限定の産卵場所です。

    雨季には水の下にある。

    乾季になると砂浜が現れる。

    そこへ母ガメが上がる。

    そして卵を残す。

    ところが、予想より早く水位が上昇すれば、砂の中の卵は水没します。

    そのため、レンジャーたちは卵だけを見るのではなく、川そのものの変化を観察する必要があります

    卵を動かすべきか、動かさないべきか

    すべての卵を回収して人工的に孵化させるわけではありません。

    2025年にまとめられた「Rupununi Freshwater Turtle Management Plan」では、現地で巣をそのまま守る方法、危険な巣の移動、ヘッドスタート、研究、環境教育、住民への啓発、地域ルールの整備など、複数の方法を組み合わせる方針が示されています。

    重要なのは、

    「人間が全部育てればいい」

    という考え方ではありません。

    安全な巣は、そのまま自然に任せる。

    洪水や捕食の危険が高い巣だけを助ける。

    カメが本来自分たちで繁殖できる状態を残しながら、人間が必要な場所だけ補助する考え方です。

    カメは食料でもある

    ルプヌニ地方での保護が難しい理由の一つに、淡水ガメが地域の食文化や生活と深く関係していることがあります。

    特にモンキヨコクビガメは、南米の多くの地域で長く食料として利用されてきました。

    2025年に発表された研究では、ルプヌニにおいてカメと卵の利用実態を調べながら、地域社会による保全と伝統的利用をどう両立させるかが検討されています。

    「食べる人間」と「守る人間」を単純に分けることはできません。

    同じ地域の人が、昔からカメを利用してきた一方で、今は巣を守るレンジャーにもなっています。

    保護と利用を一緒に考える

    このプロジェクトの目的は、地域住民から野生動物の利用を完全に切り離すことではありません。

    SWM Programmeは、野生動物の個体群と生態系を維持しながら、先住民や農村地域の食料、文化、生活も守ることを目的としています。ガイアナでは、39の先住民コミュニティ、約2万4,000人の生活を含む地域管理の仕組みづくりが進められています。

    カメを守るために人を森や川から追い出すのではない。

    その土地で暮らしてきた人たち自身が、

    「どれだけ利用できるのか」

    「どこは守るべきなのか」

    を考える。

    このニュースの大きな特徴は、そこにあります。

    子どもたちにもカメを伝える

    この活動では、卵や子ガメを守るだけでなく、環境教育も行われています。

    子どもや若者たちに淡水ガメの生態や保全について伝え、次の世代が地域のカメを知る機会を作っています。

    2025年に作られた管理計画でも、環境教育と意識の変化は、巣の保護や研究と並ぶ重要な柱として位置づけられています。

    卵を一つ守れば、その年の子ガメを救えるかもしれない。

    でも、人の考え方が次の世代へ伝われば、その先の何十年も川を守れる可能性があります。

    18,000という数字の向こう側

    18,000個。

    数字だけを見ると、とても大きな成果です。

    でも、実際の保全活動では、一度に18,000個の卵を守ったわけではありません。

    一つの砂浜で、一つの巣を見つける。

    別の日に、また別の巣を見つける。

    水位を確認する。

    孵化を待つ。

    子ガメを川へ戻す。

    それを何年も続けた結果が、18,000という数字になりました。

    亀好きとして注目したいポイント

    今回のニュースで注目したいのは、人間がカメを「増やしている」のではなく、カメが自分で増えられる時間を守っていることです。

    卵を産んだのは母ガメです。

    砂の中で育ったのも卵自身です。

    殻を破ったのも子ガメです。

    川へ泳いでいくのもカメです。

    人間がやったことは、

    洪水が来そうなら卵を移す。

    巣を荒らされそうなら見守る。

    子ガメが生まれるまで時間を作る。

    それだけです。

    でも、自然の中では、その「それだけ」がなければ消えてしまう命がたくさんあります。

    湯川亀吉の一言

    南米の亀も買えるうちに買っておこう。

    出典

    Sustainable Use of Wild Species Transformative Partnership Platform
    「Over 18,000 freshwater turtle eggs hatched in Guyana」

    Sustainable Wildlife Management Programme / CIFOR-ICRAF
    「SWM Programme – Guyana」

    Frontiers in Ecology and Evolution
    「Balancing conservation and traditional use of yellow-spotted river turtle Podocnemis unifilis in Southern Rupununi, Guyana」

    環境省
    「モンキヨコクビガメ Podocnemis unifilis

  • 世界の亀ニュース】メコン川で257匹のカントールマルスッポンが孵化 14巣を守る保全活動

    世界の亀ニュース】メコン川で257匹のカントールマルスッポンが孵化 14巣を守る保全活動

    今回は、カンボジアを流れるメコン川で、絶滅の危機にある大型のスッポン「カントールマルスッポン」の子ども257匹が孵化したニュースを紹介します。

    今回のニュース

    2026年、カンボジアのメコン川沿いで、カントールマルスッポンの巣が14か所確認されました。

    5月24日時点で、そのうち12巣から合計257匹の子ガメが孵化しています。

    さらに残る2巣についても、保全チームが引き続き監視を続けています。カンボジア農林水産省傘下の水産当局とWildlife Conservation Society(WCS)Cambodia、地域住民らが協力して巣を守ってきました。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:カンボジア
    場所:メコン川流域
    発表日:2026年5月24日
    情報の種類:淡水ガメ・スッポン・繁殖・孵化・産卵地保全

    カンボジアのメコン川では、地域住民と保全チームが産卵期に砂州や河岸を巡回し、カントールマルスッポンの巣を探して保護する活動を続けています。

    登場する亀

    今回の主役は、カントールマルスッポンです。

    学名は Pelochelys cantorii

    日本では「マルスッポン」と呼ばれることもあります。英語ではCantor’s Giant Softshell Turtle、Asian Giant Softshell Turtleなどと呼ばれます。

    スッポン科の中でも非常に大型になる種類で、専門家による種解説では甲長60〜100センチほどに達するとされています。

    硬い甲板に覆われた一般的なカメとは違い、平たく柔らかな甲羅を持ち、魚類、甲殻類、貝類などの水生生物を食べます。

    ニュースの要約

    2026年に保全チームが確認した巣は14か所。

    そのうち12巣から257匹が孵化しました。

    興味深いのは、その後の扱いです。

    257匹すべてを同じ方法で管理したわけではありません。

    43匹は、孵化したあと自分の力でメコン川へ入りました。

    残る214匹は慎重に回収され、ココン爬虫類保全センターへ運ばれました。一定期間安全な環境で育てたあと、将来的に野生へ戻す予定です。

    自然に任せる個体と、人間が一時的に保護する個体。

    二つの方法を組み合わせながら、この種の生存率を高めようとしています。

    川岸の砂の中で生まれる巨大スッポン

    成体のカントールマルスッポンは巨大になります。

    しかし、生まれたときは当然、小さな子ガメです。

    母ガメは河岸や砂州に穴を掘り、そこへ卵を産みます。専門家の種解説では、一度に24〜70個程度の卵を産むとされています。

    卵を産んだあと、母ガメは川へ戻ります。

    そこから先、卵は砂の中で育ちます。

    雨。

    川の増水。

    捕食動物。

    人間による卵の採取。

    孵化するまでには、さまざまな危険があります。

    だから保全チームは、成体のスッポンだけを探すのではなく、川岸そのものを見守っています。

    43匹は自分で川へ入った

    今回のニュースで特に印象的なのが、43匹の子ガメです。

    この43匹は孵化後、人間に運ばれることなく、自分自身でメコン川へ入りました。

    砂の中から地上へ出る。

    川の方向へ進む。

    そして水へ入る。

    非常に短い距離かもしれません。

    しかし、生まれたばかりの子ガメにとっては、最初の野生の移動です。

    残る214匹については保全施設へ移されましたが、この43匹は孵化直後から完全に野生の時間を歩き始めました。

    なぜ214匹は保全施設へ運ばれたのか

    子ガメは非常に小さく、捕食される危険が高い時期です。

    そこで一部の個体を安全な施設で育て、ある程度生存しやすい状態にしてから野生へ戻す方法が使われています。

    今回の214匹は、ココン爬虫類保全センターで保護・飼育されます。

    これはカメを永久に飼育するためではありません。

    目的は、最も危険な成長初期を人間が少しだけ補助し、最終的には再び川へ返すことです。

    一度はカンボジアから消えたと思われていた

    カントールマルスッポンは、カンボジアでは長い間ほとんど確認されなくなっていました。

    WCSによれば、科学者による野生個体の確認が途絶えていた時期がありましたが、その後、クラチエ州とストゥントレン州の間を流れるメコン川で再確認されました。

    現在では、その地域がカンボジアに残る重要な生息地となっています。

    つまり、今回257匹が生まれた川は、

    「たまたま子ガメがたくさん生まれた場所」

    ではありません。

    一度は姿を消したと思われた大型スッポンが、今も繁殖を続けている貴重な場所です。

    2022年には982匹が孵化

    今回の257匹だけを見ると、とても大きな成果に感じます。

    しかし、カンボジアでは以前から大規模な巣の保護が続けられています。

    2022年には63巣、2,155個の卵が確認され、5月20日までに40巣から982匹が孵化しました。

    その年には580匹の子ガメが、世界亀の日に合わせてメコン川へ放されています。

    2021年にも66巣、2,528個の卵が確認され、1,300匹が野生へ戻されました。

    一年だけの成功ではありません。

    砂州を探し、巣を守り、子ガメを川へ返す活動が何年も積み重ねられています。

    カメだけを守っても生き残れない

    カントールマルスッポンの減少には、食用を目的とした捕獲、卵の採取、漁具への混獲、河川環境の破壊などが関係しています。

    つまり、

    卵だけ守ればよい。

    子ガメだけ放せばよい。

    という問題ではありません。

    大きく成長したスッポンが暮らせる深い水域。

    餌を探せる川。

    安全に卵を産める砂州。

    それらが全部残っていなければ、次の世代は続きません。

    メコン川の巨大生物の一員

    カントールマルスッポンが暮らすメコン川には、ほかにも巨大な淡水生物が生息しています。

    WCSは、このスッポンがカワゴンドウや巨大淡水エイなどと同じ深い水域を利用する、メコン川を象徴する生物の一つだと紹介しています。

    水面から見れば、ただ大きな川が流れている。

    でも水の下には、

    巨大な魚がいて、

    エイがいて、

    スッポンが砂へ潜っている。

    カントールマルスッポンを守ることは、そうした巨大河川生態系そのものを残すことにもつながります。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、257匹という数字より、その前に14個の巣を見つけた人がいたことです。

    子ガメが生まれる瞬間は分かりやすい。

    写真にもなる。

    数字にもなる。

    でも、そのずっと前に、

    砂浜を歩く人がいる。

    母ガメの足跡を探す。

    砂の盛り上がりを見る。

    ここに卵があるかもしれないと考える。

    そして、その場所を何週間も守る。

    257匹という結果は、孵化した日に突然生まれた成果ではありません。

    川岸で何も起こらない日にも、砂を見続けた時間の結果なのだと思います。

    湯川亀吉の一言

    大きなスッポン飼ってみたいと思ったことありますが、めちゃめちゃ大きくなるから飼えないね。

    将来、水族館を作った時には飼育してみたい。

    出典

    Agence Kampuchea Presse(カンボジア国営通信)
    「Over 200 Cantor’s Giant Softshell Turtle Hatchlings Discovered along Mekong River in Cambodia」

    Wildlife Conservation Society Cambodia
    カントールマルスッポン保全活動・メコン川への放流記録。

    IUCN SSC Tortoise and Freshwater Turtle Specialist Group
    「Pelochelys cantorii – Asian Giant Softshell Turtle」

  • 【世界の亀ニュース】オーストラリアで珍しいハイブリッドのウミガメが孵化

    【世界の亀ニュース】オーストラリアで珍しいハイブリッドのウミガメが孵化

    今回は、オーストラリア・クイーンズランド州で報じられた、珍しいハイブリッドのウミガメの赤ちゃんに関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    オーストラリア・クイーンズランド州のモンレポスで、アカウミガメとアオウミガメのハイブリッドとみられる赤ちゃんガメが発見されました。

    クイーンズランド州政府の発表によると、この赤ちゃんガメは、モンレポスの海岸で見つかったアカウミガメ × アオウミガメのハイブリッド個体で、研究のために2匹がゴールドコーストのSea Worldへ安全に運ばれたとされています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:オーストラリア、クイーンズランド州、モンレポス
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年5月23日
    情報の種類:新着ニュース・孵化・研究ニュース

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、アカウミガメとアオウミガメのハイブリッドとみられる赤ちゃんガメです。

    クイーンズランド州には、世界にいる7種のウミガメのうち6種が生息しており、その中には絶滅危惧種のアカウミガメやアオウミガメも含まれています。また、モンレポス保護公園は、オーストラリア東海岸本土で最も多くのウミガメが産卵する場所として紹介されています。

    ニュースの要約

    今回、クイーンズランド州の環境・観光・科学・イノベーション省は、モンレポスの海岸でアカウミガメとアオウミガメのハイブリッドとみられる赤ちゃんガメの卵塊を確認しました。

    そのうち2匹はSea Worldへ運ばれ、健康状態、食事、成長の様子などを観察しながら研究される予定です。州政府の担当者は、ウミガメ同士のハイブリッド化は珍しいものの、すべてのウミガメ種で記録されたことがあると説明しています。

    また、クイーンズランド州では2014年以降、共同で行われている「Nest to Turtle Protection program」により、4万以上の巣が監視され、推定250万匹の赤ちゃんガメが安全に海へ向かったと紹介されています。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、ハイブリッドの赤ちゃんガメが、ただ珍しい存在として扱われているだけではないという点です。

    見た目の珍しさだけで終わる話ではなく、研究者たちは、その成長や体の特徴、生殖できる可能性などを慎重に観察しようとしています。

    ウミガメは、海を越えて長い距離を移動し、同じ海岸へ戻ってくる生き物です。
    その長い時間と移動の中で、異なる種類同士が出会い、まれにこうした存在が生まれる。

    亀の世界は、僕たちが思っているよりもずっと広く、複雑で、まだわからないことが多いのかもしれません。

    湯川亀吉の一言

    ハイブリッドのウミガメか〜!!
    オラ、わくわくすっぞ!!

    出典

    元記事:Queensland Government Department of the Environment, Tourism, Science and Innovation「Rare hybrid turtles hatched at Mon Repos」

  • 【世界の亀ニュース】絶滅したと思われた「ロイヤルタートル」20匹がカンボジアの川へ

    【世界の亀ニュース】絶滅したと思われた「ロイヤルタートル」20匹がカンボジアの川へ

    今回は、カンボジアで報じられた、世界でも特に絶滅の危機が深刻な淡水ガメの野生復帰に関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    2026年4月29日、カンボジアのスレアンベル川水系に、20匹のロイヤルタートルが放流されました。

    このカメは、英語でSouthern river terrapinと呼ばれるBatagur affinisです。カンボジア国内で現在も野生個体が生息し、繁殖していることが確認されている場所は、スレアンベル川水系だけだとされています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:カンボジア、スレアンベル川水系
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年4月29日
    情報の種類:新着ニュース・淡水ガメ・野生復帰・保護活動

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、ロイヤルタートルです。

    学名はBatagur affinis。河川や河口付近の水域に暮らす淡水・汽水性のカメで、世界でも特に絶滅の危機が深刻なカメのひとつとされています。

    カンボジアでは2005年に「国の爬虫類」に指定されましたが、かつては国内で絶滅したのではないかと考えられていました。その後、2000年代初頭に再発見され、長期的な保護活動が続けられています。

    ニュースの要約

    今回放流された20匹は、カンボジア水産局や地域行政、Wildlife Conservation Societyなどが進めてきた、長期的な回復事業の一環として川へ戻されました。

    この活動では、野生の巣を守るだけでなく、子ガメをある程度の大きさまで育ててから放流し、その後の行動を追跡する取り組みも行われています。

    さらに、違法漁業、砂の採掘、生息地の消失などから、川全体を守る活動も進められています。過去10年間で、200匹以上のロイヤルタートルが野生へ戻されました。

    回復の兆しも見え始めています。

    2024年には、過去に放流されたメスが野生で産卵したことが初めて確認されました。2025年には巣が確認されませんでしたが、2026年の初めにはスレアンベル川で3つの巣が見つかっています。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、かつて卵を採っていた地域の人たちが、現在は巣を守る側になっていることです。

    保護活動では、カメだけを遠くから監視しているわけではありません。

    以前は卵を採集していた人たちが、巣を探し、産卵場所を見守り、卵が無事に孵化できるように守っています。今回の放流式では、25年以上にわたってロイヤルタートルの巣を守ってきた地域の家族も表彰されました。

    人間がカメを減らす側から、守る側へ変わる。

    その変化がなければ、ロイヤルタートルは今も「絶滅したカメ」のままだったかもしれません。

    ただカメを育てて放すだけでは、野生復帰は完成しません。

    産卵できる砂州が残り、川が守られ、地域の人たちが巣を見つけ、次の世代が生まれる。そのすべてがつながって、ようやく野生の個体群が戻っていくのだと思います。

    湯川亀吉の一言

    ロイヤルタートルの実物を見てみたいぜ。

    出典

    元記事:Wildlife Conservation Society Cambodia
    「Cambodia releases critically endangered royal turtles in Sre Ambel」

  • 【世界の亀ニュース】ガラパゴスの島に巨大リクガメが約180年ぶりに戻る

    【世界の亀ニュース】ガラパゴスの島に巨大リクガメが約180年ぶりに戻る

    今回は、エクアドル・ガラパゴス諸島で報じられた、巨大リクガメの再導入に関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    ガラパゴス諸島のフロレアナ島に、158頭の若い巨大リクガメが放たれました。

    Charles Darwin Foundationによると、フロレアナ島に巨大リクガメが戻るのは180年以上ぶりで、島の生態系回復にとって歴史的な節目とされています。放たれたのは、フロレアナ系統の血を引く若い巨大リクガメたちです。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:エクアドル、ガラパゴス諸島、フロレアナ島
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年2月20日
    情報の種類:新着ニュース・再導入・生態系回復

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、フロレアナ系統の巨大リクガメです。

    フロレアナ島にもともといた巨大リクガメは、過去の人間活動などにより島から姿を消しました。報道では、1800年代以降、長いあいだフロレアナ島に巨大リクガメがいない状態が続いていたと紹介されています。

    ニュースの要約

    今回放たれた158頭の若いリクガメは、フロレアナ島の失われた巨大リクガメの系統を回復するための長期プロジェクトの一部です。

    AP通信によると、これらの個体は8〜13歳で、絶滅したとされるフロレアナ島のリクガメの遺伝的要素を持つ個体として育てられてきました。今回の放流は、将来的に合計700頭を島へ戻す計画の第一歩とされています。

    また、Charles Darwin Foundationは、この再導入をフロレアナ島の生態系回復にとって重要な出来事と位置付けています。巨大リクガメは、草を食べ、種を運び、地形や植生に影響を与える存在であり、単に「一種類の動物が戻った」というだけではなく、島全体の自然の流れを取り戻す意味を持っています。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、巨大リクガメが“島をつくる存在”として見られていることです。

    リクガメは、ただのんびり歩いているだけの生き物ではありません。
    植物を食べ、種を運び、土を踏み、道を作り、何十年もかけて島の風景に影響を与えていきます。

    人間の時間では「歩みが遅い」と感じる亀も、島の時間で見れば、風景を変えていく力を持っている。

    約180年ぶりに巨大リクガメがフロレアナ島を歩くというのは、単なる保護ニュースではなく、失われた島のリズムをもう一度動かし始める出来事なのかもしれません。

    湯川亀吉の一言

    いつかガラパゴス諸島に行ってみたいな〜。

    出典

    元記事:Charles Darwin Foundation「158 endangered tortoises released onto Floreana Island, Galapagos, for first time in over 180 years」

    関連報道:AP News「Galápagos park releases 158 juvenile hybrid tortoises on Floreana to restore the ecosystem」