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  • 【亀ニュースアーカイブ】オーストラリアの不思議な淡水ガメ、洪水で繁殖地に大きな打撃

    【亀ニュースアーカイブ】オーストラリアの不思議な淡水ガメ、洪水で繁殖地に大きな打撃

    今回のニュース

    2025年、オーストラリア・クイーンズランド州に生息するメアリーリバータートルが、洪水によって厳しい繁殖シーズンを迎えていると報じられました。

    The Guardianの記事によると、2024年12月の洪水により、メアリーリバータートルの重要な繁殖地であるティアロ周辺では、そのシーズンの巣の約半分が失われたとされています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:オーストラリア、クイーンズランド州、メアリー川流域
    元記事の言語:英語
    元記事の公開時期:2025年4月
    情報の種類:過去アーカイブ・淡水ガメ・保護活動・繁殖地被害

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、メアリーリバータートルです。

    メアリーリバータートルは、オーストラリア南東クイーンズランドのメアリー川に生息する淡水ガメです。記事では、総排出腔付近の構造を通じて水中の酸素を取り込むことができる、非常に特殊な淡水ガメとして紹介されています。

    ニュースの要約

    メアリーリバータートルは、すでに厳しい状況に置かれている絶滅危惧の淡水ガメです。

    The Guardianの記事では、この種の野生個体数は推定約10,000匹で、1960年代以降に個体数が約80%減少したと紹介されています。さらに、2024年12月の洪水では川の水位が大きく上がり、ティアロの重要な繁殖地で、そのシーズンの巣の約半分が失われたとされています。

    地域のボランティアたちは、20年以上にわたってメアリーリバータートルの保護に関わってきました。洪水の際には、一部の巣をより高い場所へ移すなどして、少しでも卵を守ろうとしたと報じられています。

    しかし、巣を守る活動だけで問題が解決するわけではありません。

    記事では、繁殖成績の悪化、生息地への影響、捕食、気候変動、そして若い個体が十分に成長していない可能性など、複数の課題が重なっていることも紹介されています。

    なぜ今、このニュースを紹介するのか

    このニュースは2025年の記事ですが、淡水ガメの保護を考えるうえで、とても重要な記録だと思います。

    ウミガメの保護では、砂浜や海岸が注目されることが多い。
    でも、淡水ガメにもまた、卵を産む場所があり、川の流れがあり、増水や洪水に左右される繁殖の時間があります。

    メアリーリバータートルは、川の中で静かに生きているカメです。
    でもその静かな暮らしは、気候や水位、人間の保護活動、地域のボランティアの努力と深くつながっています。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、淡水ガメの繁殖地が、思っている以上に繊細だということです。

    川に暮らすカメは、ただ水の中にいればいいわけではありません。
    産卵できる場所があり、卵が流されない高さがあり、子ガメが孵化して川へ向かえる環境が必要です。

    洪水は自然の一部です。
    でも、もともと個体数が減っている種類にとって、ひとつの繁殖シーズンを失うことは大きな痛手になります。

    記事の中では、保護関係者が「毎年が重要だ」という趣旨の危機感を示しています。
    亀は長生きする生き物だけど、だからといって繁殖の失敗を何年も積み重ねていいわけではない。

    長く生きるからこそ、次の世代へつなぐ一回一回の繁殖が重いのだと思います。

    湯川亀吉の一言

    メアリーリバータートル。

    一度野生の個体を見てみたいぜ。

    オーストラリアから固有種の輸出を許可する未来が訪れますように。

    オーストラリアの亀をもっと知りたいよ〜

    出典

    元記事:The Guardian「‘Every year matters’: Queensland’s critically endangered ‘bum-breathing’ turtle battles the odds」

  • 【世界の亀ニュース】湖の水から世界最希少のカメを探す――シャンハイハナスッポンの環境DNA調査

    【世界の亀ニュース】湖の水から世界最希少のカメを探す――シャンハイハナスッポンの環境DNA調査

    今回のニュース

    2025年1月、世界で最も希少なカメの一つとされるシャンハイハナスッポンを探すため、現地へ持ち運べる新しい環境DNA検査が開発されたと発表されました。

    この検査は、湖や貯水池から採取した水を調べ、そこにシャンハイハナスッポンのDNAが含まれているかを現場で判定するものです。目視だけでは発見が難しい巨大な湖でも、カメが存在する可能性を調べられるようになります。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:ベトナム北部
    主な調査地:ハノイ近郊のドンモ湖など
    元記事の言語:英語
    元記事の公開時期:2025年1月15日
    情報の種類:過去アーカイブ・淡水ガメ・環境DNA・保護研究

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、シャンハイハナスッポンです。

    学名はRafetus swinhoei。中国南部とベトナムに分布していた巨大なスッポンの仲間で、英語ではSwinhoe’s Softshell TurtleやYangtze Giant Softshell Turtleなどと呼ばれています。河川や湖などの淡水域に生息し、現存する淡水ガメの中でも特に大型になる種類です。

    甲羅には一般的なカメのような硬い鱗板がなく、皮膚で覆われた平たい体をしています。

    鼻先は管のように伸び、水面へ顔全体を出さなくても呼吸しやすい形になっています。巨大な体でありながら、深い湖の濁った水中に潜れば、人間が姿を確認することは簡単ではありません。

    ニュースの要約

    環境DNAとは、生き物が水中へ残した皮膚の細胞、排泄物などに含まれるDNAのことです。

    カメの姿を直接見つけられなくても、水を採取して分析すれば、その場所に対象種が存在した可能性を調べられます。今回の検査では、対象となるDNAを増幅して検出するqPCRという技術が利用されています。

    従来の環境DNA調査では、採取した水や試料を専門的な研究施設へ運び、結果が出るまで長い時間がかかることがありました。

    今回開発された装置は現地へ持ち運ぶことができるため、研究者や保護関係者が湖の近くで検査を進められます。国外の研究施設へ試料を輸送する必要も減り、調査結果を早く保護活動へ反映できる可能性があります。

    開発チームは、約1,260ヘクタールに及ぶベトナムのドンモ湖で検査を実施し、非常に広い水域でもシャンハイハナスッポンのDNAを検出できることを示しました。

    複数地点から採取した水をまとめて調べる方法も検討され、限られた検査回数で広い範囲を調査するための工夫が行われています。

    なぜこのカメを探しているのか

    シャンハイハナスッポンは、絶滅寸前まで減少しています。

    2025年の発表時点では、中国の蘇州動物園で飼育されている高齢の雄と、ベトナムの湖に存在すると考えられていた野生個体が紹介されていました。新たな個体、特に繁殖可能な雌を見つけられなければ、種を将来へ残すことは極めて難しい状況です。

    その後も状況は非常に厳しく、2026年の保全情報では、確実に生存が確認されている個体は中国で飼育されている雄一匹とされています。

    一方、ベトナム北部では未確認個体の存在を示す情報や、別の湖で撮影された候補個体も報告されており、保護団体は環境DNA、聞き取り調査、ドローン、カメラなどを使った捜索を続けています。

    姿が見えなくても、存在を探せる

    巨大なカメが湖にいるなら、簡単に見つけられそうにも思えます。

    でも、湖は広く、水は濁り、カメは長時間水中へ潜っています。

    湖面に鼻先だけを出して呼吸し、再び水中へ沈んでしまえば、遠くから見つけるのはほとんど不可能です。

    環境DNA調査の重要なところは、カメそのものを目撃できなくても、そのカメが水中へ残した痕跡を探せることです。

    一滴の水の中に、まだ人間が出会っていない一匹の存在が残されているかもしれません。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、一匹を探すために、巨大な湖そのものを調べていることです。

    普通の生物調査では、ある程度まとまった個体数がいることを前提にする場合があります。

    でも、シャンハイハナスッポンの場合は違います。

    探しているのは、群れではない。
    何十匹でもない。

    世界のどこかに残っているかもしれない、たった一匹です。

    その一匹が雄なのか雌なのかによって、種の未来が変わる可能性があります。

    だから研究者たちは、水をすくい、その中に残された目に見えない痕跡を調べています。

    湯川亀吉の一言

    そういえば、4年前にホアンキエム湖に行ったな!!

    でかいシャンハイハナスッポンのオブジェを見ましたよ?

    写真撮っておけばよかった。

    行商のお姉さんから買ったライチが超美味しかった。

    出典

    Wildlife Conservation Society
    「Scientists Develop First Portable eDNA Test Which Is Able to Detect One of the Rarest of the Rare Wildlife Species, a Swinhoe’s Softshell Turtle, in a Massive Body of Water」

    The Reptile Database
    「Rafetus swinhoei」

    Turtle Survival Alliance
    「Swinhoe’s Giant Softshell Turtle」