17限目 興味があるだけでいい。行動しなくてもいい。

昔の私は、こんなふうに思っていました。

「行きたい」と思ったなら、行かなければいけない。

「勉強したい」と思ったなら、勉強しなければいけない。

「欲しい」と思ったなら、買わなければいけない。

そうしないと、自分は口だけの人間なんじゃないか。

中途半端なんじゃないか。

そんな罪悪感が、ずっと心のどこかにあった。

でも、ある日気付いた。

僕は、本当に「行きたい」のだろうか。

僕は、本当に「勉強したい」のだろうか。

もしかすると違うかもしれない。

僕は、亀が好きだ。

新しい亀を迎えるとき、その亀が暮らす生息地を調べる。

スラウェシ島。

マダガスカル。

アマゾン。

でも、私はその土地へ行ったことはない。

行く予定もない。

それでも、その場所に想いを馳せるだけで心が満たされる。

本屋へ行く。

面白そうな本を買う。

読まずに本棚へ並べる。

不思議と満足している自分がいる。

Googleマップを開く。

面白そうな場所を拡大して見る。

「ここ、面白そうだな。」

そう思って閉じる。

結局、行かない。

昔は、そんな自分を責めていた。

でも、今は思う。

それでいい。

興味を持つことは、義務ではない。

行きたいと思うことは、義務ではない。

学びたいと思うことは、義務ではない。

欲しいと思うことは、義務ではない。

興味を持った瞬間に、

僕にその世界のことが少しだけインストールされる。

それだけで、十分エネルギーをもらえることがある。

人は、「体験すること」だけで豊かになるわけではない。

「想像すること」でも豊かになれる。

だから僕は、これからもことに興味を持ち続けたい。

全部を手に入れる必要はない。

全部を経験する必要もない。

ただ、「面白そうだな。」

そう思える心だけは、ずっと失いたくない。