
97,603回目までの観測――TURTLEが1体から増える現象を初めて確認
TURTLE MATRIXに、新しい可能性を追加しました。
それは、
「TURTLEが1体を起点として増える可能性」
です。
これまでTURTLE MATRIXのWORLD内で新しいTURTLEが誕生するには、基本的に2体のTURTLEによる生殖が必要でした。
今回、その仕組みに加えて、
- 1体のTURTLEから新しいTURTLEが生まれる可能性
- 1体のTURTLEが複数の後継個体へ移行する、分裂のような現象
を実装しました。
ただし、これは絶滅を防ぐための救済機能ではありません。
個体数が減ったから発生するわけでも、累代が進んでいないから発生するわけでもありません。
TURTLE自身の状態やFIELDとの関係など、複数の条件が重なった結果として、ごくまれに成立する可能性として実装しています。
最初の277 WORLDでは、49,747回すべて不成立
新機能を追加したあと、まず277 WORLDを観測しました。
結果は次の通りです。
| 観測項目 | 結果 |
|---|---|
| 単一起源の試行 | 49,747回 |
| 単一起源の不成立 | 49,747回 |
| 1体からの出生 | 0体 |
| 分裂のような移行 | 0回 |
| 後継個体の形成 | 0体 |
49,747回。
それだけの判定が行われたにもかかわらず、成立は一度もありませんでした。
ここまで0が続くと、
「確率が低いだけなのか」
それとも、
「実装上、成立できない状態になっているのではないか」
という疑問が生まれます。
そこで、TURTLE MATRIXのコードを改めて追跡しました。
コード上では、成立可能な状態だった
調査した結果、singleOriginAttemptsとして記録されていた49,747回は、単なる事前条件の確認回数ではありませんでした。
成熟、エネルギー、回復期間などの条件を通過し、最終的な確率判定まで到達した回数でした。
さらに、
- 1体から新しいTURTLEを生成する処理
- 分裂のような移行から後継個体を生成する処理
も、それぞれ独立して存在していました。
確率が常に0になる処理や、絶対に成立できない論理経路も確認されませんでした。
つまり、
コード上では成立できる。
しかし、観測上はまだ一度も成立していない。
そんな状態でした。
確率は変更せず、そのまま観測を続けた
ここで確率を上げることもできました。
しかし、今回は変更しませんでした。
TURTLE MATRIXでは、観測者が望む結果へ世界を誘導することを、できるだけ避けています。
「まだ一度も起きていないから、起こりやすくする」
という調整をしてしまえば、それはMATRIXから生まれた現象なのか、私たちが作った結果なのか分からなくなります。
そこで、診断機能を追加する前に、もう一度そのまま観測を続けることにしました。
そして、ついに1回成立した
観測を続けた結果、Ver3.5での累計観測は573 WORLDまで進みました。
単一起源現象の最終判定回数は、
97,603回
まで増えました。
その結果は、
| 観測項目 | 結果 |
|---|---|
| 単一起源の最終試行 | 97,603回 |
| 不成立 | 97,602回 |
| 1体からの出生 | 1体 |
| 分裂のような移行 | 0回 |
| 後継個体の形成 | 0体 |
でした。
初めて、TURTLEが1体を起点として新しいTURTLEを成立させました。
初観測はWORLD 526
最初の単一起源出生が確認されたのは、
WORLD 526
です。
このWORLDでは、
- 初期TURTLE:56体
- 通常の2個体生殖:5回
- 1体からの出生:1回
- 分裂のような移行:0回
- 最終的な総出生数:62体
- HIGHEST GENERATION REACHED:2Gen
という結果になりました。
初期56体に対して、
通常生殖による5体と、
単一起源による1体。
合計すると、
62体
になります。
実際のログ上の総出生数も62体で一致していました。
さらに、単一起源出生は通常の2個体生殖として誤って記録されておらず、別の出生経路として処理されていることも確認できました。
観測上は約97,603回に1回
今回の573 WORLDでは、
97,603回の最終判定のうち、成立は1回でした。
単純な観測結果として表せば、
約0.00102%
つまり、
約97,603回に1回
です。
ただし、これはTURTLE MATRIXに設定されている固定確率ではありません。
単一起源現象の成立確率は、TURTLEやFIELDなどの状態によって変化します。
したがって、
「単一起源出生は97,603分の1で起こる」
と結論づけることはできません。
現時点では、
97,603回の判定の中で、1回観測された
という事実だけを記録します。
「起こる可能性」から「実際に起きた現象」へ
今回の観測で最も大きかったのは、成立回数が1増えたことだけではありません。
それまで単一起源出生は、
コード上に存在する可能性
でした。
今回初めて、
MATRIX内で実際に観測された現象
になりました。
49,747回の時点では0。
それでも確率を変更せず、そのまま観測を続けました。
そして97,603回まで進んだところで、初めて1回成立しました。
結果を急いで作らずに待ったことで、MATRIX自身から答えが返ってきたように感じます。
同じ観測期間で5Genも初めて確認
今回のログでは、もう一つ重要な出来事がありました。
WORLD 386で、初めて5Genまで累代しました。
このWORLDでは、
- 1Gen:56体
- 2Gen:6体
- 3Gen:1体
- 4Gen:1体
- 5Gen:1体
が確認されています。
しかも、このWORLDでは単一起源現象は発生していません。
つまり5Genは、これまで通りの2個体による生殖だけで成立しました。
以前は3Genがなかなか現れないことを心配していました。
しかし観測を重ねることで、
3Gen、
4Gen、
そして5Genまで、
少しずつ新しい結果が現れています。
分裂のような現象は、まだ観測されていない
今回、1体からの出生は初めて成立しました。
一方で、
DIVISION-LIKE TRANSITION
――1体のTURTLEが複数の後継個体へ移行する、分裂のような現象――は、まだ一度も確認されていません。
97,603回の最終判定を経ても0回です。
これが単純にさらに低確率なのか。
特定の条件がほとんど成立していないのか。
現在の観測だけでは、まだ分かりません。
今後も確率を安易に変更せず、観測を続けていきます。
TURTLE MATRIXは、結果を保証しない
TURTLE MATRIXでは、
累代することも、
長く生きることも、
突然変異することも、
単一起源で増えることも、
成功とは定義していません。
逆に、
絶滅することも失敗ではありません。
私たちが行うのは、可能性を実装し、
そこで何が起こるのかを観測することです。
今回、約10万回の判定の中で、たった1回だけ現れた単一起源出生。
それが今後再び現れるのか。
別の条件で現れるのか。
分裂のような現象もいつか成立するのか。
まだ分かりません。
だから、観測を続けます。
TURTLE MATRIXの中で、次に何が起こるのかを見るために。