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  • 【世界の亀ニュース】アマゾンの淡水ガメ「ムツコブヨコクビガメ」、ブラジルで絶滅危惧種に

    【世界の亀ニュース】アマゾンの淡水ガメ「ムツコブヨコクビガメ」、ブラジルで絶滅危惧種に

    今回は、ブラジルで報じられた、アマゾン川流域に生息する淡水ガメの保全状況に関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    ブラジルで、アマゾン川流域に暮らすムツコブヨコクビガメが、国内の最新評価で絶滅危惧種に分類されました。

    ムツコブヨコクビガメの学名は、Podocnemis sextuberculata。英語では「Six-tubercled Amazon River Turtle」と呼ばれています。

    報道によると、これまでブラジル国内では「準絶滅危惧」と評価されていましたが、個体数の大幅な減少が確認されたことから、「絶滅危惧」へ引き上げられました。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:ブラジル、アマゾナス州・パラー州西部を中心とするアマゾン川流域
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年7月15日
    情報の種類:新着ニュース・淡水ガメ・絶滅危惧種・保護活動

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、ムツコブヨコクビガメです。

    アマゾン川とその支流に暮らすヨコクビガメの仲間で、ブラジルのほか、ペルー、コロンビア、ボリビアにも分布しています。

    Podocnemis属の中では比較的小型で、甲長はおよそ34センチ、体重は最大3.5キロほどになるとされています。

    英名の「Six-tubercled」は、幼い個体の腹甲に見られる特徴的な6つの隆起に由来します。

    この隆起は成長するにつれて目立たなくなるため、成体を上から見ただけでは、名前の由来が分かりにくいカメです。

    ニュースの要約

    ブラジルの評価では、アマゾナス州とパラー州西部に生息するムツコブヨコクビガメの個体数が、過去36年間で50%以上減少したと推定されました。

    36年は、この種にとって約3世代に相当します。

    調査対象となった地域には、ムツコブヨコクビガメの分布域全体のおよそ70%が含まれているため、この減少は種全体の将来を考えるうえでも、非常に重いものとされています。

    主な脅威として挙げられているのは、生息環境の悪化、卵や成体の過剰な採取、違法な捕獲などです。

    ムツコブヨコクビガメを含むアマゾンの淡水ガメは、長く地域の食文化と関わってきました。

    そのため、保護を進めるには、単に捕獲を禁止するだけでなく、カメに依存してきた先住民や河川地域の人々の生活と両立できる仕組みが必要だと指摘されています。

    長年の保護活動があっても減少している

    ブラジルでは、アマゾンのカメを守るための大規模な活動が長く続けられてきました。

    ブラジル環境・再生可能天然資源院の「アマゾン・カメ類プログラム」では、ムツコブヨコクビガメや、同じPodocnemis属のトラカジャ、オオヨコクビガメなどを対象に、子ガメの管理、放流、監視が行われています。

    これまでに保護活動の対象となった子ガメは、合計1億匹を超えるとされています。

    それでも、ムツコブヨコクビガメの個体数は減少しました。

    カメをたくさん放流するだけでは、すべての問題は解決しません。

    成体になるまで生きられる川が必要です。
    産卵できる砂州が必要です。
    卵を掘り返されない環境が必要です。
    そして、保護活動が数十年先まで続く仕組みも必要です。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、保護活動が行われている種類でも、安心できるとは限らないということです。

    子ガメが放流される場面は、明るく希望に満ちて見えます。

    でも、その子ガメが成長し、繁殖できる年齢になり、再び砂州へ戻って卵を産むまでには、長い時間がかかります。

    その途中で、捕獲されるかもしれない。
    川の環境が変わるかもしれない。
    産卵場所が失われるかもしれない。

    亀の保護は、放流した瞬間に終わるものではありません。

    一匹の子ガメが、次の世代を残せる成体になるまで生きられる環境を守ること。

    その長い時間まで含めて、保護なのだと思います。

    地域の人々が守るアマゾンの川

    アマゾンでは、地域住民が産卵地や湖を守る保全活動も進められています。

    ジュルア川流域では、地域社会との協力によって砂州や三日月湖を保護し、違法漁業や密猟から淡水生態系を守る取り組みが行われています。

    ムツコブヨコクビガメも、こうした保護対象となる淡水ガメの一種です。

    遠くから来た誰かが亀を守るだけではなく、その川で暮らしてきた人たちが、自分たちの川と亀を守る。

    その形が続かなければ、アマゾンの広大な水域を守りきることはできないのかもしれません。

    湯川亀吉の一言

    アマゾン行ってみたいね〜。

    亀探してみたいし、ピンクのカワイルカも見てみたいね!

    出典

    元記事:Mongabay
    「Brazil lists the Amazon river turtle as endangered for the first time」

    関連情報:The Reptile Database
    「Podocnemis sextuberculata」

    関連情報:ブラジル環境・再生可能天然資源院
    「Programa Quelônios da Amazônia」

  • 4万1,000匹超のオオヨコクビガメ、ドローンが捉えた世界最大の集団産卵

    4万1,000匹超のオオヨコクビガメ、ドローンが捉えた世界最大の集団産卵

    南米を流れるグアポレ川/イテネス川の砂州で、4万1,000匹を超えるオオヨコクビガメが産卵のために集まっていたことが、ドローンを使った調査によって確認されました。

    ブラジルとボリビアの国境を流れるこの川では、毎年多数のオオヨコクビガメが同じ砂州へ集まります。2025年に発表された研究では、12日間の産卵期に集まった個体数を、新しい統計手法とドローン画像を組み合わせて推定しました。これは、確認されているものとしては世界最大の淡水ガメの集団産卵とされています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:ブラジル・ボリビア国境、グアポレ川/イテネス川流域
    元記事の言語:英語
    元記事の公開時期:2025年8月4日
    研究発表:2025年
    情報の種類:過去アーカイブ・淡水ガメ・繁殖・研究・保護活動

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、オオヨコクビガメです。

    学名はPodocnemis expansa。南米に分布するヨコクビガメの仲間で、ヨコクビガメ類の中では最大種です。鳥羽水族館では甲長が80センチを超える種として紹介され、WCSは最大で全長約1.07メートル、体重約90キロに達すると説明しています。

    首を甲羅の中へまっすぐ引き込むのではなく、横方向へ曲げて収納することが「ヨコクビガメ」という名前の由来です。

    巨大な雌たちは産卵期になると川の砂州へ集まり、砂を掘って卵を産みます。

    ニュースの要約

    これほど多くのカメが同じ場所に集まると、単純に写真を見て数えるだけでは、正確な個体数を把握できません。

    同じ個体を二度数えてしまうこともあれば、別のカメや地形に隠れて見落とされる個体もいます。

    今回の研究では、ドローンで撮影した多数の画像をつなぎ合わせて、砂州全体を一枚の高精細な地図のように再現しました。さらに、移動する個体、重なって見えない個体、二重に記録された個体などを考慮する統計モデルを使い、実際の個体数を推定しています。

    その結果、12日間の産卵期に砂州へ集まったオオヨコクビガメは、4万1,000匹以上と推定されました。

    研究者たちは、この方法を使うことで、ただ壮大な光景を撮影するだけでなく、個体数やその変化を長期間にわたって、より正確に監視できるとしています。

    なぜ今、このニュースを紹介するのか

    このニュースは、単に「たくさんのカメがいた」という話ではありません。

    野生動物の保護では、現在どれだけの個体がいるのかを把握することが重要です。

    けれど、広大なアマゾン流域で、短期間に何万匹ものカメが移動する状況を、人間が地上から正確に数えるのは簡単ではありません。

    ドローンと統計モデルによって個体数を継続的に調べられるようになれば、前年より増えたのか、減ったのか、産卵地に異変が起きていないかを判断するための重要な記録になります。今回開発された方法は、同じように大群をつくる鳥類や海洋哺乳類などの調査にも応用できるとされています。

    4万匹いても安心とは限らない

    4万1,000匹という数字だけを見ると、オオヨコクビガメは非常に多いように感じます。

    しかし、数多くの個体が限られた砂州へ集中するということは、その場所が失われたときの影響も大きいということです。

    水位の変化、砂州の消失、人間による卵や成体の採取、産卵地周辺の開発などが起これば、一度に多くの個体の繁殖が影響を受ける可能性があります。

    WCSは地域住民や行政と協力し、オオヨコクビガメと、その産卵に必要な砂州を守る活動を続けています。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、普段は広大な川の中で離れて暮らしているカメたちが、同じ時期に同じ場所へ集まることです。

    一匹だけでも巨大なオオヨコクビガメが、数万匹。

    川の中から次々と姿を現し、砂州へ上がり、土を掘る。

    その光景は、生き物の群れというよりも、遠い昔から続く巨大な儀式のように見えます。

    けれど、その壮大な時間は、産卵できる砂州と、そこへ戻れる川が残っているからこそ続いています。

    数を数えることは、カメを数字へ変えることではありません。

    来年も、10年後も同じ川へ戻ってこられるように、今そこにいるカメたちの存在を記録することなのだと思います。

    湯川亀吉の一言

    でかい熱帯性の亀を飼いたいよ〜!!

    出典

    Wildlife Conservation Society
    「Novel Counting Method Using Drones Helps to Verify World’s Largest Freshwater Turtle Nesting Event」

    Journal of Applied Ecology
    「Estimating abundance of aggregated populations with drones while accounting for multiple sources of errors」

    鳥羽水族館・生きもの図鑑
    「オオヨコクビガメ」