カテゴリー: 淡水ガメ

川や湖に暮らす亀、淡水ガメ、スッポン系、外来種問題など。、汽水ガメも含みます。

  • 【世界の亀ニュース】約50年ぶりに仲間と出会ったトウブハコガメの回復物語

    【世界の亀ニュース】約50年ぶりに仲間と出会ったトウブハコガメの回復物語

    今回は、アメリカで報じられた、長年不適切な環境で飼われていたトウブハコガメの回復に関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    アメリカで、約50年にわたって室内で飼われていたトウブハコガメが保護され、回復を続けていると報じられました。

    Peopleの記事によると、このトウブハコガメの名前は「Rockalina」。1970年代に野生から持ち帰られたあと、長いあいだ暗い室内で、主にキャットフードを食べながら暮らしていたとされています。2025年にGarden State Tortoiseによって保護され、その後、屋外環境での回復が進められてきました。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:アメリカ、ニュージャージー州
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年7月
    情報の種類:新着ニュース・保護活動・飼育改善・回復記録

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、トウブハコガメです。

    トウブハコガメは、アメリカ東部に分布するハコガメの仲間です。名前に「turtle」とありますが、主に陸上で生活するカメで、森林や草地、湿った環境などと関わりながら暮らします。

    今回のRockalinaは、野生から人間の暮らしの中へ持ち込まれ、長いあいだ本来の環境から離れて生きてきた個体です。Garden State Tortoiseの動画説明では、1977年に野生から持ち帰られ、約50年にわたり台所の床で飼われていたと紹介されています。

    ニュースの要約

    Rockalinaは、保護された当初、非常に悪い状態だったと報じられています。

    Peopleの記事では、暗い室内で長く暮らし、日光を浴びることも、同じ種類のカメと関わることもなく、キャットフード中心の生活を続けていたと紹介されています。保護時には、目が閉じた状態で、爪は伸びすぎ、体には猫の毛が絡まっていたとされています。

    その後、Garden State Tortoiseの管理のもとで、Rockalinaは屋外の専用環境へ移され、自然に近い食事や日光、土や草に触れる生活を取り戻していきました。

    そして最近、Rockalinaは「Pebble」という若いトウブハコガメと初めて穏やかに対面し、イチゴを分け合うような様子も見られたと報じられています。これは、長く孤立していたRockalinaにとって、大きな一歩として紹介されています。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、亀の時間の長さです。

    人間にとって50年は、とても長い時間です。
    でも、長寿のカメにとっても、それは決して軽い時間ではありません。

    野生から連れてこられ、本来の土も、草も、日光も、仲間もない場所で暮らす。
    それでもRockalinaは生き続けた。

    このニュースは、「カメは丈夫だから何でも大丈夫」という考えが、どれほど危ういかを教えてくれます。

    亀は強い。
    でも、強いから雑に扱っていいわけではない。

    日光、土、水、食べ物、隠れる場所、季節、そして同じ種類の仲間。
    そういうものがあって、初めてそのカメらしい時間が流れるのだと思います。

    湯川亀吉の一言

    俺も亀飼ってるから言えることだけど、生き物飼ってる人間は全員クズだね。

    この記事を読んで、すぐに全部の水槽の水換えをしたよ。

    出典

    元記事:People「Turtle Who Spent Decades Eating Cat Food Gets a New Best Friend After Remarkable Recovery」

    関連動画:Garden State Tortoise「Kitchen Floor Turtle Fed Cat Food for 50 Years Feels Sun for the First Time Since 1977!」

  • 【世界の亀ニュース】絶滅したと思われた「ロイヤルタートル」20匹がカンボジアの川へ

    【世界の亀ニュース】絶滅したと思われた「ロイヤルタートル」20匹がカンボジアの川へ

    今回は、カンボジアで報じられた、世界でも特に絶滅の危機が深刻な淡水ガメの野生復帰に関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    2026年4月29日、カンボジアのスレアンベル川水系に、20匹のロイヤルタートルが放流されました。

    このカメは、英語でSouthern river terrapinと呼ばれるBatagur affinisです。カンボジア国内で現在も野生個体が生息し、繁殖していることが確認されている場所は、スレアンベル川水系だけだとされています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:カンボジア、スレアンベル川水系
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年4月29日
    情報の種類:新着ニュース・淡水ガメ・野生復帰・保護活動

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、ロイヤルタートルです。

    学名はBatagur affinis。河川や河口付近の水域に暮らす淡水・汽水性のカメで、世界でも特に絶滅の危機が深刻なカメのひとつとされています。

    カンボジアでは2005年に「国の爬虫類」に指定されましたが、かつては国内で絶滅したのではないかと考えられていました。その後、2000年代初頭に再発見され、長期的な保護活動が続けられています。

    ニュースの要約

    今回放流された20匹は、カンボジア水産局や地域行政、Wildlife Conservation Societyなどが進めてきた、長期的な回復事業の一環として川へ戻されました。

    この活動では、野生の巣を守るだけでなく、子ガメをある程度の大きさまで育ててから放流し、その後の行動を追跡する取り組みも行われています。

    さらに、違法漁業、砂の採掘、生息地の消失などから、川全体を守る活動も進められています。過去10年間で、200匹以上のロイヤルタートルが野生へ戻されました。

    回復の兆しも見え始めています。

    2024年には、過去に放流されたメスが野生で産卵したことが初めて確認されました。2025年には巣が確認されませんでしたが、2026年の初めにはスレアンベル川で3つの巣が見つかっています。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、かつて卵を採っていた地域の人たちが、現在は巣を守る側になっていることです。

    保護活動では、カメだけを遠くから監視しているわけではありません。

    以前は卵を採集していた人たちが、巣を探し、産卵場所を見守り、卵が無事に孵化できるように守っています。今回の放流式では、25年以上にわたってロイヤルタートルの巣を守ってきた地域の家族も表彰されました。

    人間がカメを減らす側から、守る側へ変わる。

    その変化がなければ、ロイヤルタートルは今も「絶滅したカメ」のままだったかもしれません。

    ただカメを育てて放すだけでは、野生復帰は完成しません。

    産卵できる砂州が残り、川が守られ、地域の人たちが巣を見つけ、次の世代が生まれる。そのすべてがつながって、ようやく野生の個体群が戻っていくのだと思います。

    湯川亀吉の一言

    ロイヤルタートルの実物を見てみたいぜ。

    出典

    元記事:Wildlife Conservation Society Cambodia
    「Cambodia releases critically endangered royal turtles in Sre Ambel」

  • 【世界の亀ニュース】絶滅寸前のアジアのカメたちを守る「タートル・バンク」

    【世界の亀ニュース】絶滅寸前のアジアのカメたちを守る「タートル・バンク」

    今回は、アメリカ・サウスカロライナ州で報じられた、絶滅寸前のカメたちを守る施設に関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    Mongabayは、アメリカ・サウスカロライナ州の松林の中にあるTurtle Survival Allianceの施設を、絶滅寸前のアジアのカメたちが身を寄せる「タートル・バンク」として紹介しました。

    記事によると、この施設には約800匹のカメが飼育されており、その多くは東南アジアを中心とした世界でもっとも絶滅が危惧される種類です。野生下で失われつつある種を、未来へ残すための“生きた貯蔵庫”のような役割を持っています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:アメリカ、サウスカロライナ州
    関係地域:東南アジアを中心とするアジア各地
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年1月28日
    情報の種類:新着ニュース・保護活動・飼育下繁殖・絶滅危惧種

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、東南アジアを中心とした絶滅危惧のカメたちです。

    施設には、野生で数が激減している淡水ガメやリクガメが保護されています。
    Turtle Survival Allianceは、世界中のカメが野生で生き続けられる未来を目指して活動する保全団体です。

    ニュースの要約

    この施設は、単なる飼育施設ではありません。

    野生下で絶滅の危機にあるカメたちを、将来的な繁殖や再導入の可能性を残すために守る場所です。
    Mongabayの記事では、この施設が約800匹のカメを収容し、世界でもっとも危機的な種の一部を保護していると紹介されています。

    こうした施設は、野生個体群が失われたあとでも、その種を完全に失わないための最後の砦になることがあります。

    もちろん、本来ならカメたちは生まれた土地で生きられるのが一番です。
    けれど、生息地破壊、密猟、違法取引、食用やペット需要によって、野生に残ることが難しくなった種類もいます。

    そのとき、飼育下で命をつなぐことは、単なる保管ではなく、未来への時間稼ぎになるのだと思います。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、カメの保護には“今すぐ野生に返す”だけではない形があるという点です。

    野生復帰は理想です。
    でも、すぐに戻せる場所がない場合もある。
    生息地が失われていたり、密猟圧が高かったり、数が少なすぎて自然繁殖が難しかったりする場合もあります。

    そういうとき、飼育施設は「閉じ込める場所」ではなく、種そのものを未来へ渡すための場所になる。

    タートル・バンクという言葉には、ただカメを集めているという意味以上に、
    失われそうな時間を預かっている
    ような響きがあります。

    湯川亀吉の一言

    アジアの亀は本当に魅力的な種類が多いです。

    サウスカロライナに保護施設があるなんて、知りませんでした。

    サウスカロライナは自然豊かでとても魅力的なところです。

    出典

    元記事:Mongabay「The Turtle Bank: The last of these Asian turtle species find refuge in the Carolina pines」

    関連情報:Turtle Survival Alliance

  • 【亀ニュースアーカイブ】オーストラリアの不思議な淡水ガメ、洪水で繁殖地に大きな打撃

    【亀ニュースアーカイブ】オーストラリアの不思議な淡水ガメ、洪水で繁殖地に大きな打撃

    今回のニュース

    2025年、オーストラリア・クイーンズランド州に生息するメアリーリバータートルが、洪水によって厳しい繁殖シーズンを迎えていると報じられました。

    The Guardianの記事によると、2024年12月の洪水により、メアリーリバータートルの重要な繁殖地であるティアロ周辺では、そのシーズンの巣の約半分が失われたとされています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:オーストラリア、クイーンズランド州、メアリー川流域
    元記事の言語:英語
    元記事の公開時期:2025年4月
    情報の種類:過去アーカイブ・淡水ガメ・保護活動・繁殖地被害

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、メアリーリバータートルです。

    メアリーリバータートルは、オーストラリア南東クイーンズランドのメアリー川に生息する淡水ガメです。記事では、総排出腔付近の構造を通じて水中の酸素を取り込むことができる、非常に特殊な淡水ガメとして紹介されています。

    ニュースの要約

    メアリーリバータートルは、すでに厳しい状況に置かれている絶滅危惧の淡水ガメです。

    The Guardianの記事では、この種の野生個体数は推定約10,000匹で、1960年代以降に個体数が約80%減少したと紹介されています。さらに、2024年12月の洪水では川の水位が大きく上がり、ティアロの重要な繁殖地で、そのシーズンの巣の約半分が失われたとされています。

    地域のボランティアたちは、20年以上にわたってメアリーリバータートルの保護に関わってきました。洪水の際には、一部の巣をより高い場所へ移すなどして、少しでも卵を守ろうとしたと報じられています。

    しかし、巣を守る活動だけで問題が解決するわけではありません。

    記事では、繁殖成績の悪化、生息地への影響、捕食、気候変動、そして若い個体が十分に成長していない可能性など、複数の課題が重なっていることも紹介されています。

    なぜ今、このニュースを紹介するのか

    このニュースは2025年の記事ですが、淡水ガメの保護を考えるうえで、とても重要な記録だと思います。

    ウミガメの保護では、砂浜や海岸が注目されることが多い。
    でも、淡水ガメにもまた、卵を産む場所があり、川の流れがあり、増水や洪水に左右される繁殖の時間があります。

    メアリーリバータートルは、川の中で静かに生きているカメです。
    でもその静かな暮らしは、気候や水位、人間の保護活動、地域のボランティアの努力と深くつながっています。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、淡水ガメの繁殖地が、思っている以上に繊細だということです。

    川に暮らすカメは、ただ水の中にいればいいわけではありません。
    産卵できる場所があり、卵が流されない高さがあり、子ガメが孵化して川へ向かえる環境が必要です。

    洪水は自然の一部です。
    でも、もともと個体数が減っている種類にとって、ひとつの繁殖シーズンを失うことは大きな痛手になります。

    記事の中では、保護関係者が「毎年が重要だ」という趣旨の危機感を示しています。
    亀は長生きする生き物だけど、だからといって繁殖の失敗を何年も積み重ねていいわけではない。

    長く生きるからこそ、次の世代へつなぐ一回一回の繁殖が重いのだと思います。

    湯川亀吉の一言

    メアリーリバータートル。

    一度野生の個体を見てみたいぜ。

    オーストラリアから固有種の輸出を許可する未来が訪れますように。

    オー・サラマンダー・ウチュウ・レボリューション!

    出典

    元記事:The Guardian「‘Every year matters’: Queensland’s critically endangered ‘bum-breathing’ turtle battles the odds」