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  • 4万1,000匹超のオオヨコクビガメ、ドローンが捉えた世界最大の集団産卵

    4万1,000匹超のオオヨコクビガメ、ドローンが捉えた世界最大の集団産卵

    南米を流れるグアポレ川/イテネス川の砂州で、4万1,000匹を超えるオオヨコクビガメが産卵のために集まっていたことが、ドローンを使った調査によって確認されました。

    ブラジルとボリビアの国境を流れるこの川では、毎年多数のオオヨコクビガメが同じ砂州へ集まります。2025年に発表された研究では、12日間の産卵期に集まった個体数を、新しい統計手法とドローン画像を組み合わせて推定しました。これは、確認されているものとしては世界最大の淡水ガメの集団産卵とされています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:ブラジル・ボリビア国境、グアポレ川/イテネス川流域
    元記事の言語:英語
    元記事の公開時期:2025年8月4日
    研究発表:2025年
    情報の種類:過去アーカイブ・淡水ガメ・繁殖・研究・保護活動

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、オオヨコクビガメです。

    学名はPodocnemis expansa。南米に分布するヨコクビガメの仲間で、ヨコクビガメ類の中では最大種です。鳥羽水族館では甲長が80センチを超える種として紹介され、WCSは最大で全長約1.07メートル、体重約90キロに達すると説明しています。

    首を甲羅の中へまっすぐ引き込むのではなく、横方向へ曲げて収納することが「ヨコクビガメ」という名前の由来です。

    巨大な雌たちは産卵期になると川の砂州へ集まり、砂を掘って卵を産みます。

    ニュースの要約

    これほど多くのカメが同じ場所に集まると、単純に写真を見て数えるだけでは、正確な個体数を把握できません。

    同じ個体を二度数えてしまうこともあれば、別のカメや地形に隠れて見落とされる個体もいます。

    今回の研究では、ドローンで撮影した多数の画像をつなぎ合わせて、砂州全体を一枚の高精細な地図のように再現しました。さらに、移動する個体、重なって見えない個体、二重に記録された個体などを考慮する統計モデルを使い、実際の個体数を推定しています。

    その結果、12日間の産卵期に砂州へ集まったオオヨコクビガメは、4万1,000匹以上と推定されました。

    研究者たちは、この方法を使うことで、ただ壮大な光景を撮影するだけでなく、個体数やその変化を長期間にわたって、より正確に監視できるとしています。

    なぜ今、このニュースを紹介するのか

    このニュースは、単に「たくさんのカメがいた」という話ではありません。

    野生動物の保護では、現在どれだけの個体がいるのかを把握することが重要です。

    けれど、広大なアマゾン流域で、短期間に何万匹ものカメが移動する状況を、人間が地上から正確に数えるのは簡単ではありません。

    ドローンと統計モデルによって個体数を継続的に調べられるようになれば、前年より増えたのか、減ったのか、産卵地に異変が起きていないかを判断するための重要な記録になります。今回開発された方法は、同じように大群をつくる鳥類や海洋哺乳類などの調査にも応用できるとされています。

    4万匹いても安心とは限らない

    4万1,000匹という数字だけを見ると、オオヨコクビガメは非常に多いように感じます。

    しかし、数多くの個体が限られた砂州へ集中するということは、その場所が失われたときの影響も大きいということです。

    水位の変化、砂州の消失、人間による卵や成体の採取、産卵地周辺の開発などが起これば、一度に多くの個体の繁殖が影響を受ける可能性があります。

    WCSは地域住民や行政と協力し、オオヨコクビガメと、その産卵に必要な砂州を守る活動を続けています。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、普段は広大な川の中で離れて暮らしているカメたちが、同じ時期に同じ場所へ集まることです。

    一匹だけでも巨大なオオヨコクビガメが、数万匹。

    川の中から次々と姿を現し、砂州へ上がり、土を掘る。

    その光景は、生き物の群れというよりも、遠い昔から続く巨大な儀式のように見えます。

    けれど、その壮大な時間は、産卵できる砂州と、そこへ戻れる川が残っているからこそ続いています。

    数を数えることは、カメを数字へ変えることではありません。

    来年も、10年後も同じ川へ戻ってこられるように、今そこにいるカメたちの存在を記録することなのだと思います。

    湯川亀吉の一言

    でかい熱帯性の亀を飼いたいよ〜!!

    出典

    Wildlife Conservation Society
    「Novel Counting Method Using Drones Helps to Verify World’s Largest Freshwater Turtle Nesting Event」

    Journal of Applied Ecology
    「Estimating abundance of aggregated populations with drones while accounting for multiple sources of errors」

    鳥羽水族館・生きもの図鑑
    「オオヨコクビガメ」

  • 【亀ニュースアーカイブ】オーストラリアの不思議な淡水ガメ、洪水で繁殖地に大きな打撃

    【亀ニュースアーカイブ】オーストラリアの不思議な淡水ガメ、洪水で繁殖地に大きな打撃

    今回のニュース

    2025年、オーストラリア・クイーンズランド州に生息するメアリーリバータートルが、洪水によって厳しい繁殖シーズンを迎えていると報じられました。

    The Guardianの記事によると、2024年12月の洪水により、メアリーリバータートルの重要な繁殖地であるティアロ周辺では、そのシーズンの巣の約半分が失われたとされています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:オーストラリア、クイーンズランド州、メアリー川流域
    元記事の言語:英語
    元記事の公開時期:2025年4月
    情報の種類:過去アーカイブ・淡水ガメ・保護活動・繁殖地被害

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、メアリーリバータートルです。

    メアリーリバータートルは、オーストラリア南東クイーンズランドのメアリー川に生息する淡水ガメです。記事では、総排出腔付近の構造を通じて水中の酸素を取り込むことができる、非常に特殊な淡水ガメとして紹介されています。

    ニュースの要約

    メアリーリバータートルは、すでに厳しい状況に置かれている絶滅危惧の淡水ガメです。

    The Guardianの記事では、この種の野生個体数は推定約10,000匹で、1960年代以降に個体数が約80%減少したと紹介されています。さらに、2024年12月の洪水では川の水位が大きく上がり、ティアロの重要な繁殖地で、そのシーズンの巣の約半分が失われたとされています。

    地域のボランティアたちは、20年以上にわたってメアリーリバータートルの保護に関わってきました。洪水の際には、一部の巣をより高い場所へ移すなどして、少しでも卵を守ろうとしたと報じられています。

    しかし、巣を守る活動だけで問題が解決するわけではありません。

    記事では、繁殖成績の悪化、生息地への影響、捕食、気候変動、そして若い個体が十分に成長していない可能性など、複数の課題が重なっていることも紹介されています。

    なぜ今、このニュースを紹介するのか

    このニュースは2025年の記事ですが、淡水ガメの保護を考えるうえで、とても重要な記録だと思います。

    ウミガメの保護では、砂浜や海岸が注目されることが多い。
    でも、淡水ガメにもまた、卵を産む場所があり、川の流れがあり、増水や洪水に左右される繁殖の時間があります。

    メアリーリバータートルは、川の中で静かに生きているカメです。
    でもその静かな暮らしは、気候や水位、人間の保護活動、地域のボランティアの努力と深くつながっています。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、淡水ガメの繁殖地が、思っている以上に繊細だということです。

    川に暮らすカメは、ただ水の中にいればいいわけではありません。
    産卵できる場所があり、卵が流されない高さがあり、子ガメが孵化して川へ向かえる環境が必要です。

    洪水は自然の一部です。
    でも、もともと個体数が減っている種類にとって、ひとつの繁殖シーズンを失うことは大きな痛手になります。

    記事の中では、保護関係者が「毎年が重要だ」という趣旨の危機感を示しています。
    亀は長生きする生き物だけど、だからといって繁殖の失敗を何年も積み重ねていいわけではない。

    長く生きるからこそ、次の世代へつなぐ一回一回の繁殖が重いのだと思います。

    湯川亀吉の一言

    メアリーリバータートル。

    一度野生の個体を見てみたいぜ。

    オーストラリアから固有種の輸出を許可する未来が訪れますように。

    オーストラリアの亀をもっと知りたいよ〜

    出典

    元記事:The Guardian「‘Every year matters’: Queensland’s critically endangered ‘bum-breathing’ turtle battles the odds」