カテゴリー: リクガメ

リクガメ、ゾウガメ、希少種、密輸、繁殖など。

  • 【世界の亀ニュース】アフリカの巨大リクガメが掘る穴は、生態系を動かしているのかもしれない

    【世界の亀ニュース】アフリカの巨大リクガメが掘る穴は、生態系を動かしているのかもしれない

    今回は、アフリカのサハラ砂漠南縁からサヘル地域に暮らす、ケヅメリクガメに関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    アフリカ大陸最大のリクガメとして知られるケヅメリクガメが掘る巣穴が、生態系に大きな役割を持っている可能性があると報じられました。

    Times of Indiaの記事では、ケヅメリクガメが暑さを避けるために掘る深い巣穴が、単なる避難場所ではなく、土壌や周囲の環境に影響を与える「生態系エンジニア」としての働きを持つ可能性があると紹介されています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:サハラ砂漠南縁・サヘル地域
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年7月
    情報の種類:新着ニュース・研究/生態系ニュース

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、ケヅメリクガメです。

    ケヅメリクガメは、アフリカ大陸最大のリクガメで、世界でもガラパゴスゾウガメ、アルダブラゾウガメに次いで大きいリクガメとして知られています。記事では、サハラ砂漠とサヘルの厳しい暑さの中で、ケヅメリクガメが深い巣穴を掘って暑さをしのいでいることが紹介されています。

    ニュースの要約

    ケヅメリクガメは、厳しい乾燥地帯で生きるために巣穴を掘ります。

    これまでは、その巣穴は主に「暑さや乾燥から身を守るための場所」として見られてきました。
    しかし、研究者たちは、こうした巣穴が土壌の状態や周囲の小さな生き物たちに影響を与えている可能性にも注目し始めています。

    記事では、ケヅメリクガメが「生態系エンジニア」として見られ始めていることが紹介されています。
    生態系エンジニアとは、自分の行動によって周囲の環境そのものを変えてしまう生き物のことです。たとえば巣穴を掘ることで、土の状態、湿度、他の生き物の隠れ場所、植物の生え方などに影響を与える可能性があります。

    一方で、ケヅメリクガメは絶滅危惧種とされており、もし個体数が減れば、その巣穴が持っていた生態系への働きも失われてしまうかもしれません。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、リクガメが“ただ歩いている生き物”ではなく、環境そのものを動かしているかもしれないという点です。

    亀は動きが遅い。
    だから、人間の目には「何もしていない」ように見えることがあります。

    でも、長い時間で見ると違う。

    のっし、のっしと大地を歩き、硬い土を掘り、巣穴を残し、そこに湿度や影が生まれる。
    その穴を他の生き物が使い、植物が変わり、土が変わる。

    亀の一歩や、亀が掘った穴は、人間が思うよりもずっと大きな意味を持っているのかもしれません。

    湯川亀吉の一言

    ケヅメリクガメはけっこうでかいね。

    出典

    元記事:Times of India「For thousands of years, this giant tortoise has been digging burrows across the Sahara, and scientists now think those tunnels may play a bigger ecological role than anyone realised」

  • 【世界の亀ニュース】ガラパゴスの島に巨大リクガメが約180年ぶりに戻る

    【世界の亀ニュース】ガラパゴスの島に巨大リクガメが約180年ぶりに戻る

    今回は、エクアドル・ガラパゴス諸島で報じられた、巨大リクガメの再導入に関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    ガラパゴス諸島のフロレアナ島に、158頭の若い巨大リクガメが放たれました。

    Charles Darwin Foundationによると、フロレアナ島に巨大リクガメが戻るのは180年以上ぶりで、島の生態系回復にとって歴史的な節目とされています。放たれたのは、フロレアナ系統の血を引く若い巨大リクガメたちです。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:エクアドル、ガラパゴス諸島、フロレアナ島
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年2月20日
    情報の種類:新着ニュース・再導入・生態系回復

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、フロレアナ系統の巨大リクガメです。

    フロレアナ島にもともといた巨大リクガメは、過去の人間活動などにより島から姿を消しました。報道では、1800年代以降、長いあいだフロレアナ島に巨大リクガメがいない状態が続いていたと紹介されています。

    ニュースの要約

    今回放たれた158頭の若いリクガメは、フロレアナ島の失われた巨大リクガメの系統を回復するための長期プロジェクトの一部です。

    AP通信によると、これらの個体は8〜13歳で、絶滅したとされるフロレアナ島のリクガメの遺伝的要素を持つ個体として育てられてきました。今回の放流は、将来的に合計700頭を島へ戻す計画の第一歩とされています。

    また、Charles Darwin Foundationは、この再導入をフロレアナ島の生態系回復にとって重要な出来事と位置付けています。巨大リクガメは、草を食べ、種を運び、地形や植生に影響を与える存在であり、単に「一種類の動物が戻った」というだけではなく、島全体の自然の流れを取り戻す意味を持っています。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、巨大リクガメが“島をつくる存在”として見られていることです。

    リクガメは、ただのんびり歩いているだけの生き物ではありません。
    植物を食べ、種を運び、土を踏み、道を作り、何十年もかけて島の風景に影響を与えていきます。

    人間の時間では「歩みが遅い」と感じる亀も、島の時間で見れば、風景を変えていく力を持っている。

    約180年ぶりに巨大リクガメがフロレアナ島を歩くというのは、単なる保護ニュースではなく、失われた島のリズムをもう一度動かし始める出来事なのかもしれません。

    湯川亀吉の一言

    いつかガラパゴス諸島に行ってみたいな〜。

    出典

    元記事:Charles Darwin Foundation「158 endangered tortoises released onto Floreana Island, Galapagos, for first time in over 180 years」

    関連報道:AP News「Galápagos park releases 158 juvenile hybrid tortoises on Floreana to restore the ecosystem」

  • 【世界の亀ニュース】絶滅寸前のアジアのカメたちを守る「タートル・バンク」

    【世界の亀ニュース】絶滅寸前のアジアのカメたちを守る「タートル・バンク」

    今回は、アメリカ・サウスカロライナ州で報じられた、絶滅寸前のカメたちを守る施設に関するニュースを紹介します。

    今回のニュース

    Mongabayは、アメリカ・サウスカロライナ州の松林の中にあるTurtle Survival Allianceの施設を、絶滅寸前のアジアのカメたちが身を寄せる「タートル・バンク」として紹介しました。

    記事によると、この施設には約800匹のカメが飼育されており、その多くは東南アジアを中心とした世界でもっとも絶滅が危惧される種類です。野生下で失われつつある種を、未来へ残すための“生きた貯蔵庫”のような役割を持っています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:アメリカ、サウスカロライナ州
    関係地域:東南アジアを中心とするアジア各地
    元記事の言語:英語
    公開時期:2026年1月28日
    情報の種類:新着ニュース・保護活動・飼育下繁殖・絶滅危惧種

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、東南アジアを中心とした絶滅危惧のカメたちです。

    施設には、野生で数が激減している淡水ガメやリクガメが保護されています。
    Turtle Survival Allianceは、世界中のカメが野生で生き続けられる未来を目指して活動する保全団体です。

    ニュースの要約

    この施設は、単なる飼育施設ではありません。

    野生下で絶滅の危機にあるカメたちを、将来的な繁殖や再導入の可能性を残すために守る場所です。
    Mongabayの記事では、この施設が約800匹のカメを収容し、世界でもっとも危機的な種の一部を保護していると紹介されています。

    こうした施設は、野生個体群が失われたあとでも、その種を完全に失わないための最後の砦になることがあります。

    もちろん、本来ならカメたちは生まれた土地で生きられるのが一番です。
    けれど、生息地破壊、密猟、違法取引、食用やペット需要によって、野生に残ることが難しくなった種類もいます。

    そのとき、飼育下で命をつなぐことは、単なる保管ではなく、未来への時間稼ぎになるのだと思います。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、カメの保護には“今すぐ野生に返す”だけではない形があるという点です。

    野生復帰は理想です。
    でも、すぐに戻せる場所がない場合もある。
    生息地が失われていたり、密猟圧が高かったり、数が少なすぎて自然繁殖が難しかったりする場合もあります。

    そういうとき、飼育施設は「閉じ込める場所」ではなく、種そのものを未来へ渡すための場所になる。

    タートル・バンクという言葉には、ただカメを集めているという意味以上に、
    失われそうな時間を預かっている
    ような響きがあります。

    湯川亀吉の一言

    アジアの亀は本当に魅力的な種類が多いです。

    サウスカロライナに保護施設があるなんて、知りませんでした。

    サウスカロライナは自然豊かでとても魅力的なところです。

    出典

    元記事:Mongabay「The Turtle Bank: The last of these Asian turtle species find refuge in the Carolina pines」

    関連情報:Turtle Survival Alliance

  • 【世界の亀ニュース】マダガスカルで洪水に流された絶滅危惧のリクガメたちを救助

    【世界の亀ニュース】マダガスカルで洪水に流された絶滅危惧のリクガメたちを救助

    今回のニュース

    2025年1月、マダガスカル南部で、絶滅危惧種のリクガメたちが洪水に巻き込まれ、大規模な救助活動が行われました。

    AP通信によると、サイクロン「Dikeledi」の影響で、Lavavolo Tortoise Centerが洪水に見舞われ、保護されていたホウシャガメやクモノスガメなど約12,000匹が流される事態になりました。これらのリクガメの多くは、もともと違法取引から保護された個体だったと報じられています。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:マダガスカル南部
    元記事の言語:英語
    元記事の公開時期:2025年1月
    情報の種類:過去アーカイブ・救助・保護活動・災害

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、主にホウシャガメクモノスガメです。

    ホウシャガメは、黒い甲羅に黄色い放射状の模様を持つ美しいリクガメとして知られています。AP通信の記事では、ホウシャガメは100年以上生きることもある長寿のリクガメであり、マダガスカルでは生息地破壊や密猟、違法ペット取引などにより深刻な危機にあると紹介されています。

    ニュースの要約

    Lavavolo Tortoise Centerには、約12,000匹のホウシャガメやクモノスガメが保護されていました。

    しかし、サイクロンによる洪水で施設が浸水し、多くのリクガメたちが流されてしまいました。
    記事によると、施設スタッフ、地域住民、警察官たちが協力し、水の中を歩きながら容器を使ってリクガメを集めたり、壊れた建物の一部を即席のいかだのように使ったりして救助にあたったとされています。

    Turtle Survival Allianceのマダガスカル責任者は、10,000匹以上を救えた可能性があるとしつつも、約700匹の死亡も確認されたと報じられています。多くの個体は施設に戻されましたが、洪水によって保護施設そのものにも大きな被害が出ました。

    なぜ今、このニュースを紹介するのか

    このニュースは2025年の記事ですが、「亀を守る」ということを考えるうえで、とても重要な記録だと思います。

    これらのリクガメたちは、違法取引から救われたあと、保護施設で守られていました。
    けれど、その保護施設もまた、自然災害によって危機にさらされる。

    亀を守るということは、密猟や違法取引と戦うだけではありません。
    保護したあとの場所をどう守るのか。
    災害が起きたとき、どう救うのか。
    地域の人たちとどう協力するのか。

    そういう現実まで含めて、亀の保護なのだと感じます。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、地域の人たちがリクガメを救うために動いたことです。

    水に流された何千匹ものリクガメを見つけ、集め、運び、戻す。
    それは簡単なことではありません。

    しかも相手は、ただの「数」ではない。
    一匹一匹が、長い時間を生きるリクガメです。

    25歳から50歳くらいの個体でも、リクガメの世界ではまだ若い個体として表現されています。人間の感覚とはまったく違う時間を生きる生き物たちが、洪水の中で必死に生き延びようとしていた。そう思うと、このニュースは単なる災害救助ではなく、亀たちの時間を守るための出来事に見えてきます。

    湯川亀吉の一言

    なるほど。

    出典

    元記事:AP News「Thousands of endangered tortoises are rescued in Madagascar after their sanctuary is flooded」

  • 【亀ニュースアーカイブ】絶滅したと思われたフェルナンディナゾウガメ、100年以上ぶりに発見

    【亀ニュースアーカイブ】絶滅したと思われたフェルナンディナゾウガメ、100年以上ぶりに発見

    2019年2月、エクアドルのガラパゴス諸島にあるフェルナンディナ島で、一匹の雌のゾウガメが発見されました。

    この島に固有のフェルナンディナゾウガメは、1906年に一匹の雄が採集されて以来、100年以上も生きた個体が確認されず、絶滅したと考えられていました。発見された雌は、島の名前にちなんで「フェルナンダ」と名付けられました。

    どこの国・地域の話か

    国・地域:エクアドル、ガラパゴス諸島、フェルナンディナ島
    元記事の言語:英語
    発見時期:2019年2月
    遺伝的確認:2022年
    情報の種類:過去アーカイブ・再発見・研究・絶滅危惧種

    登場する亀

    今回のニュースに登場するのは、フェルナンディナゾウガメです。

    学名はChelonoidis phantasticus。フェルナンディナ島だけに生息していたとされるガラパゴスゾウガメの一種です。

    長いあいだ科学的に知られていたのは、1906年に採集され、博物館に保存された雄の標本一匹だけでした。

    ニュースの要約

    2019年の調査で発見されたフェルナンダは、サンタクルス島にあるガラパゴス国立公園の繁殖施設へ移され、血液や遺伝情報の調査が行われました。

    しかし、フェルナンダの姿は、1906年に採集された雄の標本とは大きく異なっていました。

    雄の標本は、甲羅の前方が大きく持ち上がった、非常に特徴的な鞍型の甲羅を持っていました。一方、フェルナンダは体が小さく、甲羅も比較的なめらかだったため、本当に同じ種類なのか疑問視する研究者もいました。限られた植物しかない火山島で成長したため、発育が抑えられた可能性も考えられています。

    研究チームは、フェルナンダと1906年の標本から得たゲノムを比較しました。

    その結果、二匹は同じ系統に属し、ほかのガラパゴスゾウガメとは遺伝的に異なることが確認されました。フェルナンディナゾウガメは、絶滅していなかったのです。

    たった一匹なのか

    フェルナンディナ島では、ゾウガメらしい足跡や糞など、ほかの個体が存在する可能性を示す痕跡も報告されました。けれど、その後も生きた別個体は確認されていません。2025年時点でも、フェルナンダはこの種で唯一確認されている生存個体です。

    フェルナンディナ島は、広大な溶岩原が広がる火山島です。鋭い溶岩が島の内部への移動を妨げるため、調査は非常に困難です。人間がまだ到達できていない場所に、別のゾウガメが生きている可能性も完全には否定できません。

    なぜ今、このニュースを紹介するのか

    このニュースが発生したのは2019年ですが、絶滅と再発見について考えるうえで、とても重要な記録です。

    人間が「絶滅した」と判断したあとも、フェルナンダは火山島のどこかで生き続けていました。

    誰にも見つからず、仲間がいるかどうかもわからない場所で、何十年もの時間を生きていた。

    存在を確認できないことと、存在していないことは、同じではありません。

    世界のどこかには、僕たちが失ったと思い込んでいるだけで、今も静かに生きている亀がいるのかもしれません。

    亀好きとして注目したいポイント

    このニュースで注目したいのは、一匹の亀が、種の絶滅という判断を覆したことです。

    1906年の標本と、2019年に発見されたフェルナンダ。

    科学的に確認されているのは、わずか二匹です。しかも二匹が生きていた時代は重なっていません。

    それでも、博物館に残された100年以上前の標本と、現代の一匹の遺伝情報を比較することで、失われたと思われていた種の存在が証明されました。

    古い標本も、現在を生きる一匹も、未来の保護につながる重要な記録なのだと思います。

    湯川亀吉の一言

    絶滅したと思われていた亀が、火山島の奥で見つかった。

    ロマンが溢れてやがるぜ。

    出典

    Galápagos Conservancy「Breaking: Female Tortoise Found on Fernandina Island」

    Princeton University「“Fantastic giant tortoise,” believed extinct, confirmed alive in the Galápagos」

    Galápagos Conservancy「Publication Confirms Fernanda as Fernandina Giant Tortoise